2016 Fiscal Year Annual Research Report
光合成酸素発生中心の機能を模倣した二核ルテニウム錯体による水の酸化反応
Publicly Offered Research
Project Area | Chemical conversion of solar energy by artificial photosynthesis: a breakthrough by fusion of related fields toward realization of practical processes |
Project/Area Number |
15H00884
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
和田 亨 立教大学, 理学部, 准教授 (30342637)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 水の酸化 / 錯体 / 触媒 / ルテニウム / 人工光合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では人工光合成のボトルネックといわれる水の四電子酸化反応を、平衡電極電位(+1.23 V vs.NHE, pH0)よりも+100mVから+200 mV程度の過電圧で進行させる小過電圧触媒系の実現を目指し、光合成の仕組みを模倣した人工系二核ルテニウム錯体触媒の開発を行った。天然の光合成では、酸素発生中心であるマンガンクラスターの近傍に存在するチロシン残基が電子とプロトンの移動に重要な役割を担っている。本研究ではOECを模倣して、チロシンと同じフェノール骨格を分子内に有する二核ルテニウム錯体の合成について検討した。当初は架橋部位をアントラセノールとした二核化配位子の合成を目指し、多くの合成経路について検討したが、実用的な収率に至らなかった。そこで、アントラセンの1位にルテニウムを結合するターピリジル基、8位にヒドロキシフェニル基を有する配位子の合成を検討した。最終的に、アントラセン-1,8-ジボロン酸とトリフルオロメタンスルホニルターピリジン及びブロモアニソールのワンポット鈴木ー宮浦クロスカップリング反応で良好な収率で合成に成功した。この配位子を用いて単核ルテニウム錯体を合成し、その構造を単結晶X-線構造解析で明らかにした。さらに合成した錯体のCVを測定し、水の酸化に対して触媒活性を示すことがわかった。有機溶媒中ではフェノール部位の不可逆な酸化波が+1.2V(vs. SCE)に観測され、水中ではこの電位近辺から水の酸化に由来する触媒電流が生じた。現在、フェノール部位が水の酸化に与える影響と反応機構について検討を行っている。さらに、非常に強い電子供与性の配位子を有するルテニウム錯体が、小過電圧で水の酸化を触媒することを明らかにした。二核ルテニウム錯体触媒に夜水の酸化反応については、反応活性種が[Ru(IV)=O O=Ru(V)]である明確な証拠を得た。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Homogeneous Photocatalytic Water Oxidation with a Dinuclear CoIII-Pyridylmethylamine Complex2016
Author(s)
T. Ishizuka, A. Watanabe, H. Kotani, D. Hong, K. Satonaka, T. Wada, Y. Shiota, K. Yoshizawa, K. Ohara, K. Yamaguchi, S. Kato, S. Fukuzumi, T. Kojima,
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Journal Title
Inorg. Chem.
Volume: 55
Pages: 1154-1164
DOI
Peer Reviewed
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