2016 Fiscal Year Annual Research Report
複合化活性部位を有する金属酸化酵素における感応性化学種の制御とその設計
Publicly Offered Research
Project Area | Stimuli-responsive Chemical Species for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
15H00909
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石森 浩一郎 北海道大学, 理学研究院, 教授 (20192487)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ヘム / Irr / 酸化修飾 / 活性酸素 / 酸化反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究計画の各項目における研究成果は以下の通りである。
1.活性化Irrにおける活性部位の構造解析 昨年度に引き続き,NMRによるIrrの構造解析を進めるため、15N、13Cによるラベル化Irrの発現、単離、精製を行い、再現性良く高純度の安定同位体ラベルIrr収量を得ることができる手法を確立することができた。この安定同位体ラベルIrrを用いて、その15N-1H HSQCスペクトルを測定したが、NMRシグナルの分散が十分ではなく、立体構造解析可能なスペクトルを得ることができなかった。これは、これまでのIrr精製時には添加していた2価のマンガンイオンを、その常磁性によるNMR信号への影響を除くため添加しなかったことによって、Irrが安定な立体構造を形成できなかったためと考えられた。そこでこの常磁性の2価マンガンイオンの代わりに、反磁性の2価マグネシウムを加えて精製し、そのNMR測定を行ったが、NMR信号の分散は変化せず、マグネシウムイオンはIrrに結合しないと考えられた。そこで、同様に反磁性の2価亜鉛イオンを結合させることを試みたところ、分散したNMRスペクトルが得られ、その立体構造解析の指針が得られた。
2.アミノ酸置換による酸化反応の制御 Irrにおける酸化反応を制御するため、ヘム結合部位に位置するCys29をAlaに置換したところ、その酸化活性は大きく低下し、このCys29はIrrの酸化反応に重要な寄与をすることが明らかとなった。さらに、野生型では二量体を形成するIrrが、この変異により単量体化することが明らかとなった。以上の結果より、このヘム近傍に位置するCys29は酸化反応だけではなく、Irrにおける蛋白質間の会合状態についても大きな役割を果たしていることが新たに示された。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)