2016 Fiscal Year Annual Research Report
高原子価ルテニウム錯体の反応性の制御要因の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Stimuli-responsive Chemical Species for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
15H00915
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小島 隆彦 筑波大学, 数理物質系, 教授 (20264012)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高原子価ルテニウム錯体 / 電子構造 / 酸化反応 / プロトン共役電子移動 / 反応機構解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) N-ヘテロ環状カルベン(NHC)部位を導入したキレート配位子を有するルテニウム(II)-アクア錯体を、酸性水溶液中でプロトン共役電子移動酸化することにより、前例のないルテニウム(III)-オキシル(Ru(III)-O・)錯体の生成に成功し、その分光学的キャラクタリゼーションを行った。その錯体は、従来知られているルテニウム(IV)-オキソ(Ru(IV)=O)錯体と電子的に等価であるが、強いラジカル性を有することがわかった。Ru(III)-O・錯体は、そのラジカル性を反映した、Ru(IV)=O錯体とは異なる反応性を示した。さらに、Ru(III)-O・錯体を酸化活性種とするベンゼン誘導体の低温における酸化的分解反応を開発した。 (2) ルテニウム(V)-イミド錯体によるp-エチルベンゼンスルホン酸ナトリウムのヒドリド移動を伴うC-H酸化反応について、C-H結合の速度論的同位体効果(KIE)及び溶媒(H2O/D2O)の同位体効果(sKIE)を決定した。その結果、KIEは20となり、ヒドリド移動過程にトンネル効果が認められた。さらに、sKIEが17となり、水分子がヒドリド移動の遷移状態に関与していることが示唆された。 (3) 3座配位子であるトリシクロフォスフェート(P3O9(3-))及び2座配位子であるジイミンを(2,2’-ビピリジンなど)を有するRu(III)-アクア錯体を合成し、そのキャラクタリゼーションとメタクロロ過安息香酸(mCPBA)との反応を試みた。その結果、Ru(III)-アクア錯体は2段階の酸化還元課程を示すことがわかった。また、mCPBAとRu(III)-アクア錯体との反応において、Class IIに分類される混合原子価状態にあるオキソ架橋Ru(III)-Ru(IV)複核錯体の生成が認められた。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(37 results)
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[Presentation] Ruthenium(III)-Oxyl Complexes Bearing N-Heterocyclic Carbene Ligands2017
Author(s)
Yoshihiro Shimoyama, Tomoya Ishizuka, Hiroaki Kotani, Yoshihito Shiota, Kazunari Yoshizawa, Kaoru Mieda, Takashi Ogura, Toshihiro Okajima, Shunsuke Nozawa, Takahiko Kojima
Organizer
Stimuli-responsive Chemical Species for the Creation of Functional Molecules 2nd International Symposium
Place of Presentation
Hiroshima University , Higashi-Hiroshima, Hiroshima
Year and Date
2017-03-07
Int'l Joint Research
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