2015 Fiscal Year Annual Research Report
感応性化学種による触媒反応の制御・設計に関する理論的研究
Publicly Offered Research
Project Area | Stimuli-responsive Chemical Species for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
15H00938
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
諸熊 奎治 京都大学, 福井謙一記念研究センター, FIFCリサーチフェロー (40111083)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 感応性化学種 / 触媒反応 / 化学反応理論 / 鈴木-宮浦アリール化反 / 向山アルドール反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
Pd/NHC触媒 実験研究者との共同でアリルアジリジンの触媒的ホウ素化反応を研究した。反応の位置選択性は反応物と触媒の錯体が生成する段階で決定される。主生成物以外が生成する反応経路も見つかったが、主生成物の割合は実験と理論で概ね一致した。また、次のステップで水が触媒的に働くことで反応が加速されていることがわかった。
Fe(II)触媒 向山アルドール 二価鉄錯体による向山アルドール反応の立体選択性の起源を調べた。まずアルデヒドが触媒に配位し、次にシリコンエノラートによる求核付加がおこる。このステップが立体選択段階であることがわかった。一方、律速段階はその後に起こるプロトン移動である。立体選択性段階での複数の反応経路を検討したところ、主生成物の収量は8割程度となり、実験と概ね一致した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
鉄触媒についてはすでに論文にまとめて出版済み、パラジウム錯体についても投稿済みである。
|
Strategy for Future Research Activity |
我々の手法で単核の金属錯体による反応をどのように扱うかのノウハウが蓄積されてきたので、より難しい反応である、鉄を含む二核錯体による触媒反応に関する研究を実験研究者と共同で進行することを検討中である。
|
Research Products
(10 results)