2015 Fiscal Year Annual Research Report
カゴ化合物による感応性化学種の保護効果
Publicly Offered Research
Project Area | Stimuli-responsive Chemical Species for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
15H00955
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
瀬高 渉 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (60321775)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 機能性分子 / 分子機械 / 有機典型元素 / 動的分子 / 構造有機化学 / 双極子配向制御 / 有機結晶 / 複屈折 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大規模カゴ型アルキル骨格の内部にπ電子系を架橋した分子を、結晶中でもπ電子系が1軸回転可能な「分子ジャイロコマ」として設計、合成し、結晶内部のπ電子系の回転運動や配向変化に伴う物性を検討してきた。本研究では、カゴ骨格を内部に収めた感応性化学種の保護基として利用する研究を実施する。 π電子系としてナフタレンを架橋した誘導体について、様々な環サイズの誘導体を合成し、溶液中の環の回転運動を観察した。その結果エネルギー障壁がカゴサイズに依存することを明らかにした(論文:J. Org. Chem., 80, 9959-9966 (2015))。 π電子系としてピレンを架橋した誘導体を新規に合成した。この分子は、カゴ側鎖の立体保護効果により、高濃度条件においてもエキシマー蛍光が観察されない特異な性質を明らかにした(論文:Org. Biomol. Chem., 13, 10511-10516 (2015).)。 研究代表者は、2件の国際会議での成果発表と1件の招待講演を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規化合物の合成が進み、論文発表も行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
双極子モーメントを有するπ電子系であるチオフェンやセレノフェンを架橋したカゴ化合物について、物性のカゴ効果を明らかにする。蛍光特性や酸化還元特性を有する部分構造を内包した化合物について、物性のカゴ効果を明らかにする。
|
Research Products
(24 results)