2016 Fiscal Year Annual Research Report
ジベンゾクリセンをモチーフとする曲面π電子系の開発
Publicly Offered Research
Project Area | pi-System Figuration: Control of Electron and Structural Dynamism for Innovative Functions |
Project/Area Number |
15H00987
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
辻 勇人 神奈川大学, 理学部, 教授 (20346050)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 光物性 / 電子・電気材料 / 有機合成化学 / 有機金属化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,精密有機合成に基づき,フランが縮環したジベンゾクリセン(DBC)化合物の分子造形を行い機能発現を目指して行った。前年度の研究から,このような骨格を形成するための前駆体として,テトラ(ベンゾフリル)エテン(TBFE)を合成する際に,対応するケトンを用いたMcMurry型還元的カップリング反応に対してハフニウムが有効であることを見出したため,今年度はこの新しい反応性について検討するとともに,TBFEの光物性評価ならびにフラン縮環DBCの合成検討を行った。 ハフニウムを用いたカップリング反応については,TBFEの合成には昨年度見出したアセトニトリル溶媒が有効であった。合成したTBFEは,希薄THF(テトラヒドロフラン)溶液では分子が完全に分散し,ベンゾフラン部位に由来する短波長発光を示した。この溶液に対し,水を加える分子が凝集を始め,凝集誘起消光を示した。この溶液を電子顕微鏡で観察したところ,粒径数十nm程度の凝集体を形成していることを確認した。さらに水の割合を増加したところ,再び発光を示すようになったが,発光極大は元の希薄溶液よりも長波長化していることがわかった。これは,テトラアリールエテン化合物で一般に見られる凝集誘起発光(AIE)現象である。このように,TBFEは濃度を変化させることで発光の性質が変化するという特異な物性を示すことが明らかとなった。さらに,TBFEを酸化処理することでフラン縮環DBCの合成を試みたところ,DBC骨格の形成とともに置換基間でも縮環が形成されていることが示唆される結果を得た。この生成物の構造解析については継続して検討が必要である。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)