2015 Fiscal Year Annual Research Report
面性不斉分子で彩る光学活性段違いπ造形
Publicly Offered Research
Project Area | pi-System Figuration: Control of Electron and Structural Dynamism for Innovative Functions |
Project/Area Number |
15H00992
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
森崎 泰弘 関西学院大学, 理工学部, 教授 (60332730)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シクロファン / 面性不斉 / 円偏光発光 |
Outline of Annual Research Achievements |
報告者はこれまでに、置換基を有する[2.2]パラシクロファンが面性不斉を発現することに着目し、面性不斉シクロファンパイ電子系の構築と特性を世界に先駆けて報告した。その中で、面性不斉分子が円偏光発光特性を示すことを明らかにした。面性不斉シクロファンが織り成す光学活性な二次構造が円偏光発光発現に重要であることを提唱し、大きなモル吸光係数・優れた蛍光量子収率・大きな異方性因子を併せ持つ高輝度円偏光発光性分子を創出してきた。 本年度の研究では、種々の発光色・発光様式を有するπ電子系をシクロファン骨格に導入し、多彩な円偏光発光性段違いπ共役系を開発することを目的として検討を行い以下の成果を得た。 1.面性不斉四置換[2.2]パラシクロファンを用いたパイ電子系積層ダイマーを合成した。得られた三種類のダイマーは希薄溶液中において高効率に蛍光発光し、優れた円偏光発光特性を示した。特に、ナフタレン骨格を有するダイマーは、蛍光量子収率が80%を超え、高輝度蛍光発光するとともに、その円偏光発光異方性因子は1.7x10-3と大きな値を示した。 2.X字型面性不斉シクロファンパイ共役系を核に有するデンドリマーを合成した。デンドリマーの世代の増加に伴い、蛍光発光の濃度消光が抑制され、第3世代以降のデンドリマーでは薄膜においても高輝度かつ高効率に発光することがわかった。すなわち、デンドロンを核に導入することにより、アンテナ効果・薄膜形成能・濃度消光抑制効果が得られた。また、発光は円偏光発光であり、その円偏光発光異方性因子は1.5x10-3と大きな値を示した。 3.ナフタレン骨格を四隅に有する面性不斉環状化合物を合成した。得られた環状化合物は希薄溶液中において高輝度円偏光発光することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
面性不斉シクロファン化合物を鍵骨格として用いることで様々な円偏光発光性化合物の合成に成功しているから。
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Strategy for Future Research Activity |
グラムスケール合成可能な面性不斉シクロファン化合物を領域内メンバーに提供することで共同研究を加速したい。
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Research Products
(24 results)