2015 Fiscal Year Annual Research Report
速度選択スピン共鳴を通じた気体原子と固体容器間の並進角運動量移行
Publicly Offered Research
Project Area | nano spin conversion science |
Project/Area Number |
15H01013
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
畠山 温 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70345073)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | スピン / 角運動量変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
容器中に閉じ込められたスピン偏極気体原子は,容器表面と衝突することによってスピン緩和を起こす。そのスピン緩和によって容器が機械的に回転することを実証するための装置開発を行った。装置は,回転させる物体を細い線でつった高感度のねじり秤である。このねじり秤の開発のため,光で偏極する気体原子を閉じ込めた容器を用いる前に,有名な「Bethの実験」,すなわち,1/2波長板をつり下げ,入射した円偏光の向き,つまり光子のスピンの向きが逆転する際に光が波長板に及ぼすトルクによる波長板の回転を検出する実験を行った。直径6.6マイクロメートル,長さ1メートルのワイヤーにつられた波長板の振動を抑えるのに苦労したが,波長板に導体を取り付け,印加した磁場中を運動するときに発生する渦電流を用いてブレーキをかける方法で解決することができた。その結果,光から受けるトルクにより生じる波長板の回転を明確に検出することができた。これにより,必要な感度を持ったねじり秤の開発は完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ねじり秤の振動を抑える方法を見いだすために時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
最大の難関であったねじり秤の開発は完了したため,今後は予定通りの順序で実験を進める。今年度前半で,気体原子のスピン緩和による容器の回転を観測する。それと並行して,次の目標である,運動誘起スピン共鳴を通じた容器回転実験の準備も進め,年度後半にはその実験を実施する。
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Research Products
(2 results)