2015 Fiscal Year Annual Research Report
ニュートリノで探る標準模型を超える新しい物理
Publicly Offered Research
Project Area | Revealing the history of the universe with underground particle and nuclear research |
Project/Area Number |
15H01037
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
波場 直之 島根大学, 総合理工学研究科, 教授 (00293803)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ニュートリノ質量 / インバース・シーソー機構 / タイプ2シーソー機構 / 真空の安定性 / neutrinoless ββ decay / μーe conversion / ナチュラルネス |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒッグス粒子が発見されその質量が125GeVであったことは、標準模型の真空の安定性やナチュラルネス問題に関しての情報を与え、標準模型を超える物理の重要なヒントであると思われる。 そこで、まず、ニュートリノの極微質量が自然に導出されて、かつ、実験で観測できる可能性のあるインバース・シーソー機構について、真空の安定性、ナチュラルネスについて理論的解析をおこない、更に、ニュートリノレス・ダブル・ベータ崩壊やミューオン・エレクトロン・コンバージョンの観測可能性について詳しく解析した。 次に、タイプ2シーソー機構における真空の安定性について解析をおこない、LHC 実験でのヒッグスが2つのガンマ、あるいは、Zとガンマに崩壊するプロセスについて詳しく解析をおこない、ナチュラルネス問題がない場合のパラメータ領域での実験での検証可能性について調査した。 また、標準模型にシングレットを導入して拡張した模型において、プランク・スケールでヒッグスポテンシャルが丁度消滅する可能性に関して調査したり、高エネルギーでスケール不変を課して、ダイナミカルにヒッグス質量や電弱相転移が起きる可能性について調べた。更に、10の10乗のエネルギースケールでヒッグスポテンシャルが不安定になることが、ヒッグス場が高次元ゲージ場の余剰次元成分の証拠なのではないかと考え、模型に依らない陽子崩壊の解析を(トップ質量をパラメータとして)おこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画は概ね順調に進み、更に、陽子崩壊と絡めた新しい研究も出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
ニュートリノ振動実験におけるノンユニタリティの観測可能性の調査、アルゴン検出器でタウニュートリノ検出の評価、そして、ニュートリノ湯川が大きく右巻きニュートリノ軽めな状況でシーソー時の世代間のキャンセルでニュートリノ振動実験と合うmass squared differencesやmixing anglesを得る場合のコライダー実験での検証可能性を調査する。
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Research Products
(14 results)