2015 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光X線ホログラフィーによる酸化ヌクレオチド加水分解酵素の活性サイトの観測
Publicly Offered Research
Project Area | 3D Active-Site Science |
Project/Area Number |
15H01050
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中村 照也 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (40433015)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 蛋白質 / 蛍光X線ホログラフィー / 酵素反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
酵素反応は,酵素活性サイトに基質・金属イオンが結合して引き起こされる.この様な酵素反応機構を理解するには,酵素活性サイトの構造に加え,反応中の構造変化を明らかにすることが必要不可欠である.本研究では,酸化ヌクレオチド加水分解酵素について,1) 蛍光X線ホログラフィーに適した大型結晶の調製条件を確立する.2) タンパク質結晶の蛍光X線ホログラフィーを確立し,酸化ヌクレオチド加水分解酵素の活性サイトの構造を決定する.3) 時分割X線結晶構造解析による反応過程の可視化を行う.これらの結果から,蛍光X線ホログラフィーによる活性サイト構造とX線結晶解析の活性サイト構造の関係,さらには,ホログラフィーによって得られた局所的な構造と反応機構の関係を明らかにする. 本年度は,1) 蛍光X線ホログラフィーに適した大型結晶の調製,2) 蛍光X線ホログラフィーの初期的な実験, 3) 時分割X線結晶構造解析を行った.シーディング法による酸化ヌクレオチド加水分解酵素の大型化を行い,最大で長辺が500 μmを超える結晶を再現性良く調製した.SPring-8のBL39XUにχサークルと結晶冷却装置を導入し,これらの結晶を用いた蛍光X線ホログラフィーの予備的な実験を行った.さらに,結晶へのMg2+の浸漬を反応開始とした時分割X線結晶構造解析を行い,最終的に活性部位にMg2+が結合していき,基質が加水分解される過程を観察した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蛍光X線ホログラフィーについては,結晶の大型化と初期的な実験を行うことができ,時分割X線結晶構造解析では反応過程の全体を可視化することができたため,おおむね順調に研究は進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
蛍光X線ホログラフィーのデータ収集のために,結晶のさらなる大型化を進める.時分割X線結晶構造解析では結晶内反応条件をさらに検討し,酵素反応段階をより詳細に解明する.
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Research Products
(4 results)