2016 Fiscal Year Annual Research Report
ドーパントによるワイドギャップ材料の機能化機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | 3D Active-Site Science |
Project/Area Number |
15H01056
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 有香子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 先進パワーエレクトロニクス研究センター, 主任研究員 (90509837)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ダイヤモンド / パワーデバイス / 3D活性サイト |
Outline of Annual Research Achievements |
ボロンドープダイヤモンド中のボロンの原子配列を解析するため、高分解能広立体角2次元光電子顕微分光器を用いて二次元光電子分光実験を行った。入射角は試料表面に対して15°、出射角は90°である。C1sの二次元光電子像[Ekin=600eV]、TMSPを用いて描画した二次元光電子像[Ekin=600eV]との間にはよい一致が見られた。ボロンの共有結合半径(rB=0.88Å)は炭素(rC=0.77Å)に比べて大きいため、ボロンを添加したダイヤモンドの結晶格子は伸長する傾向にある。実験結果と計算結果の一致は、高濃度ボロンドープダイヤモンド(001)が等方的に格子伸張しながら結晶成長していること、すなわちドーパントサイトに結晶方位依存性がない事を示唆するものである。 さらにB1sの光電子スペクトルからボロン配置の解析を試みた。光電子スペクトル(B1s)の放出角度依存性を解析した結果、通常1つのピークからなるB1sスペクトルは2つのピーク、AとBに別れており、ピークBでは光電子強度の放出角度依存性が確認された。それぞれのピークを帰属するために、格子間位置にボロンがドープされたダイヤモンド(格子間型ボロンドープダイヤ)と、置換位置にボロンが配置された時のダイヤモンド(置換型ボロンドープダイヤ)の二次元光電子像を計算した。格子間型ボロンドープダイヤは第二近接原子がボロンの直上にあるため、置換型ボロンドープダイヤと比較して<001>方向の前方散乱ピーク強度が高くなる。この事から、ピークAは格子間配置のボロン、ピークBは置換配置のボロンからのピークであると推測した。ボロンは、置換位置にドープされたときにアクセプタ供給源として機能すると推測される。すなわち、2つのピークはそれぞれ、非活性化ボロン(ピークA)と活性化ボロン(ピークB)の存在を示すものである。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)