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2015 Fiscal Year Annual Research Report

皮膚を場とした血管と免疫システム間のインターフェイスの理解

Publicly Offered Research

Project AreaAnalysis and synthesis of multi-dimensional immune organ network
Project/Area Number 15H01155
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

椛島 健治  京都大学, 医学研究科, 教授 (00362484)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2017-03-31
Keywords皮膚科学 / 免疫学 / 生体イメージング
Outline of Annual Research Achievements

生体イメージング技術を活用し、免疫応答におけるリンパ球・樹状細胞・マクロファージなどの血球系細胞を中心とする免疫システムと高内皮静脈(high endothelial venules; HEV)を初めとする血管システムのインターフェイスにおける細胞の動態とその意義を解明する。免疫臓器としての皮膚における、新たな生理・病態における役割を時空間的解析を通して明らかにすることが本研究の目的である。
まず我々は、皮膚におけるHEV様血管の誘導メカニズムの解明を試みた。そして、後毛細血管領域の血管周囲マクロファージと接触している部位にHEVのマーカーであるPNAdが陽性となることを確認した。さらに、PNAd陽性細胞は、慢性炎症時に強く誘導され、ICAMなどの接着因子が強発現していた。
次に、iSALT・HEV様血管誘導を介する皮膚への免疫細胞の浸潤機構の解明を試みた。炎症により誘導されるHEV様血管は、血球系免疫細胞の皮膚への浸潤を誘導する可能性がある。事実、慢性炎症と共にナイーブT細胞やB細胞が皮膚へ浸潤した。そこで、血管内皮細胞を活性化させることが想定される血管内皮マクロファージの機能を欠失させると、皮膚への免疫細胞の浸潤が減弱した。
以上より、慢性炎庄時に誘導されるPNAd陽性HEV様の血管は、皮膚へのナイーブT細胞やB細胞などの各種免疫細胞の浸潤に重要な役割を果たすことが示唆された。また、血管周囲のリンパ球浸潤は、接触皮膚炎をはじめ、皮膚悪性腫瘍、ウイルス発疹、薬疹、膠原病などの様々な皮膚疾患で認められる。このような場は、皮膚内における獲得免疫の調整に重要な役割を果たすことが想定される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は、生体イメージング技術を活用し、免疫応答におけるリンパ球・樹状細胞・マクロファージなどの血球系細胞を中心とする免疫システムと高内皮静脈(high endothelial venules; HEV)を初めとする血管システムのインターフェイスにおける細胞の動態とその意義を解明することと、免疫臓器としての皮膚における、新たな生理・病態における役割を時空間的解析を通して明らかにすることにあったが、その両者ともに、一定の研究成果が得られたため。

Strategy for Future Research Activity

申請者は既に、ライブイメージングの手法を用いて、皮膚で活性化、あるいは皮膚に浸潤 するさまざまな血球系細胞(樹状細胞、リンパ球、好中球、マクロファージ)やさまざまな皮膚構造物(表皮、膠原線維、弾性線維、脂腺、毛包、血管)の可視化に成功している(Kabashima et al. J Invest Dermatol 2014)。これを用いて、上記計画①と②でHEV様血管の形成、維持、もしくは役割において重要と考えられた細胞と、HEV様血管の相互作用を実際に可視化することを試みる。これによって、生体内での血管変化の重要性を四次元的に評価することが可能なシステムを創出する。
そこで、各種血球系細胞を可視化したマウスにおいて、HEV様血管を認識する蛍光抗体(ブロッキング効果のないもの)の静脈投与を行い、HEV様血管と血球系細胞の両者を同時可視化する。これによって、HEV様血管の形成の過程における、あるいは血管形成後の細胞浸潤における、血管と樹状細胞、リンパ球、マクロファージとの空間時間的な相互関係を明らかにする。最終的には、マウス接触皮膚炎やアトピー性皮膚炎モデルなどの代表的疾患において同様の観察を行い、皮膚を「場」とした血管システムと免疫システムのインターフェイスにおける細胞動態の疾患特異性を明らかにする。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Acknowledgement Compliant: 2 results)

  • [Journal Article] Novel insights into the role of immune cells in skin and inducible skin-associated lymphoid tissue (iSALT)2015

    • Author(s)
      Ono S, Kabashima K
    • Journal Title

      Allergo J Int.

      Volume: 24 Pages: 170-179170-179

    • DOI

      10.1007/s40629-015-0065-1

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] Proposal of inducible skin-associated lymphoid tissue (iSALT).2015

    • Author(s)
      Ono S, Kabashima K
    • Journal Title

      Exp Dermatol.

      Volume: 24 Pages: 630-1

    • DOI

      10.1111/exd.12716

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant

URL: 

Published: 2018-01-16  

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