2015 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光生体イメージング技術による免疫細胞の骨吸収制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Analysis and synthesis of multi-dimensional immune organ network |
Project/Area Number |
15H01158
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊田 順一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60710069)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生体イメージング / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
CD4陽性ヘルパーT細胞のサブセットの一つであるTh17細胞は、その膜上に発現するRANKLを介して、単球・マクロファージ系由来の免疫細胞の一つである破骨細胞の骨吸収を制御し得ることが明らかになっている。しかしながら、Th17細胞がどのようにして骨髄腔内へ遊走し破骨細胞に引き寄せられるのか、詳細なメカニズムについてはよく分かっていない。本研究は、Th17細胞と破骨細胞の細胞間クロストークを分子レベルで詳細に解明するために、本研究代表者が持つ骨の蛍光生体イメージング技術を活用して、生体内の骨髄環境を保ったまま、細胞間相互作用を行うTh17細胞と破骨細胞を顕微鏡下で選別して抽出し、細胞間クロストークの際に起こる多彩な遺伝子発現変化を個々の細胞レベルで定量的に解析する新たな方法論を構築する。従来の研究手法では明らかにできなかった重要な分子やシグナルを同定し、Th17細胞が骨吸収を制御する生理的・病理的意義を明らかにする。 平成27年度は、Th17細胞の破骨細胞への遊走制御機構を明らかにするために、生理的な骨髄環境を保ったまま、破骨細胞と相互作用を行うTh17細胞を光刺激することにより蛍光色で選別して抽出する技術開発を行った。平成28年度は、これらの成果をもとに、標的細胞における遺伝子発現変化を1細胞レベルで網羅的かつ定量的に解析することにより、Th17細胞の破骨細胞への遊走メカニズムを解明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
個体を生かしたまま骨髄腔内の免疫細胞動態を四次元で可視化し1細胞レベルで機能解析する技術開発を行い、平成27年度終了時としては順調に経過している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で確立する生体二光子励起イメージング系による細胞間クロストークの1細胞機能解析技術は、細胞集団の相互的空間情報や生理活性物質の濃度など生理的な骨髄環境を保持したまま、様々な免疫細胞の遊走や機能を1細胞レベルで解析することができるため、今後、免疫細胞の遊走システムの本質を明らかにし、免疫系の細胞遊走システムが担う生体恒常性維持機構の解明にも役立つと考えられる。
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[Journal Article] Intravital imaging of Ca(2+) signals in lymphocytes of Ca(2+) biosensor transgenic mice: indication of autoimmune diseases before the pathological onset.2016
Author(s)
Yoshikawa S, Usami T, Kikuta J, Ishii M, Sasano T, Sugiyama K, Furukawa T, Nakasho E, Takayanagi H, Tedder TF, Karasuyama H, Miyawaki A, Adachi T.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 6
Pages: 18738
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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