2015 Fiscal Year Annual Research Report
軸糸タンパク質の特異的位置決定の分子メカニズム
Publicly Offered Research
Project Area | Cilium-centrosome system regulating biosignal flows |
Project/Area Number |
15H01206
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
若林 憲一 東京工業大学, 資源化学研究所, 准教授 (80420248)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | クラミドモナス / 鞭毛・繊毛 / ダイニン / 微小管 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、計画通り、(1)外腕ダイニン基部タンパク質の位置決定に関与するタンパク質の機能解析と、(2)ダイニン2重変異株の電子顕微鏡解析を並行して行った。 (1)について、このタンパク質が位置決定に関与することを期待していたが、得られたミュータントの表現型解析から、当初予想していたダイニンの位置決定には関与していないが、意外なことに別のダイニンの活性調節に関与していることを示唆する結果が得られた。これらの結果を論文としてまとめる予定である。 (2)について、当該2重変異株をクライオ電子線トモグラフィーによって構造解析したが、現在までのところ、ダイニン以外に欠失した構造は明らかになっていない。この2重変異株は鞭毛が2本のうち1方しか動かないことが特徴で、このことはダイニンの配列の2本の鞭毛での非対称性を示唆するものである。電顕解析のときには鞭毛を単離するため、平均化の際にデータが混ざり、本来あったかもしれないダイニン以外に欠失した構造を見落としている可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記(1)について、予想外であったとはいえ、当該タンパク質の機能解析は順調に進んでいる。(2)については、想定される範囲の難しさではあったが、目標とする構造欠失を明らかにするには至っていない。あわせて、概ね順調に進んでいる、と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は(1)の成果を論文化することと、(2)のために2本の鞭毛を区別して解析する方法の開発に入る予定である。さらに、片方の鞭毛が止まるダイニン2重欠失変異株の組み合わせが我々が明らかにしたものだけなのか、さらなる検証を行う。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Eyespot-dependent determination of the phototactic sign in Chlamydomonas reinhardtii2016
Author(s)
Ueki, N., Ide, T., Mochiji, S., Kobayashi, Y., Tokutsu, R., Ohnishi, N., Yamaguchi, K., Shigenobu, S., Tanaka, K., Minagawa, J., Hisabori, T., Hirono, M., Wakabayashi, K.
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Journal Title
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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