2015 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウムと細胞壁機能の相互制御
Publicly Offered Research
Project Area | Plant cell wall as information-processing system |
Project/Area Number |
15H01224
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 徹 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80242163)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | カルシウム / カロース / カスパリー線 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物は独立栄養生物であり、土壌の無機成分のみで生育することができる。土壌の無機栄養細胞壁を含む空間であるアポプラストを通じて輸送される。アポプラストを通過する間に栄養の組成が変化したり、細胞内の栄養濃度に影響するなどして、細胞壁は栄養の全体的な輸送に影響を及ぼす。その一方で、栄養は細胞壁に影響を及ぼす。本研究はその相互作用の一端をカルシウムを中心に明らかにすることを目的とし、低カルシウム感受性と細胞壁組成の関係、およびカルシウム輸送と細胞壁の関係の二つの側面から研究を進めている。いずれの研究もシロイヌナズナの低カルシウム感受性変異株の解析が中心的な研究手法である。本年度は複数のカロ-ス合成酵素の欠損する二重変異株を作出しその生育を調べたところ、単一の変異を持つ系統よりも低カルシウム条件での生育がより劣っていることが明らかになり、カロース合成遺伝子の重要性が再確認された。また、新たに解析した低カルシウムに感受性の変異株から原因遺伝子を同定した。この遺伝子はこれまでに機能が知られていない遺伝子であり、この変異株ではスベリンの蓄積に異常が見られること、側根の形成が少なくなっていることから、この遺伝子がカルシウム輸送と植物の発生の両方に関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部予想外の事態も発生したものの、全体としては予定通り進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの予定に従って研究を進めていく。
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Research Products
(4 results)