2016 Fiscal Year Annual Research Report
細胞表層の活性酸素-カルシウムシグナルネットワークによる細胞壁の機能制御
Publicly Offered Research
Project Area | Plant cell wall as information-processing system |
Project/Area Number |
15H01239
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
朽津 和幸 東京理科大学, 理工学部応用生物科学科, 教授 (50211884)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アポプラスト / 活性酸素種 / 植物免疫 / 情報伝達 / カルシウムイオン / 植物細胞壁 / メリステム / 発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゼニゴケの2種のRbohの葉状体メリステム・仮根・雌雄生殖器等、生活環全体における発現部位を詳細に解析した。ゲノム編集法によりMpRbohA, Bの双方の機能欠損変異体を単離し、表現型を解析した結果、MpRbohAは葉状体メリステム機能・雄性生殖器の発生、MpRbohBは仮根の先端成長(細胞伸張)・ストレス応答に関与する可能性が示唆された。Ca2+依存性プロテインキナーゼCDPKやCa2+センサータンパク質CBLとCBL依存性プロテインキナーゼCIPKによるリン酸化とEF hand領域へのCa2+の結合により相乗的に活性化されることが明らかになり、活性制御に重要なアミノ酸残基を同定した。Rbohの活性化に関与するCDPKの機能欠損変異体をゲノム編集により単離し、機能解析を進めた。誘導ラマン散乱顕微鏡イメージングや、細胞表層のROS代謝酵素の解析も進め、Rbohによりapoplast中に生成されたROSが細胞壁の機能制御を介して植物の発生を司る可能性を示した。 シロイヌナズナの10種のRbohのROS生成活性のCa2+濃度依存性を定量的に解析し、Rbohは生理的Ca2+濃度変化に依存して活性化される可能性を示した。Rbohの活性化に低分子量Gタンパク質が関与することを生化学的に初めて示した。イネのRbohがタペート細胞のプログラム細胞死・オートファジー制御・花粉形成に関与する可能性を示した。リグニン合成に関与する可能性が想定されるドイツトウヒのRbohを同定し、活性制御機構を解析した。陸上植物に広く保存されたCa2+結合部位を含むRbohの活性制御領域を同定する一方、殆どの藻類のRbohはこの領域を持たないことが明らかとなった。コレオケーテ、接合藻類のRbohを同定し、植物の陸上化前後のROS-Ca2+シグナルネットワークの進化を解析した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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