2015 Fiscal Year Annual Research Report
クラミドモナス走光性発現メカニズムとその分子基盤
Publicly Offered Research
Project Area | Harmonized supramolecular machinery for motility and its diversity |
Project/Area Number |
15H01314
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
若林 憲一 東京工業大学, 資源化学研究所, 准教授 (80420248)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | クラミドモナス / 走光性 / レドックス / 鞭毛・繊毛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、緑藻クラミドモナスが光受容したのち、2本の鞭毛をどのように使って走光性を示すのか、そのシグナル経路と鞭毛運動調節機構を明らかにすることである。特に、我々が最近発見した「酸化・還元による走光性の正負の切り替えメカニズム」を明らかにすることを目標としている。 初年度であるH27年度は、予定通り(1)鞭毛内のレドックス電位の計測 (2)酸化・還元薬剤処理した細胞の鞭毛の詳細観察 (3)走光性の正負切り替え異常ミュータントの単離と解析 を並行して行った。 (1)については、予定通り酸化還元感受性蛍光タンパク質を鞭毛に導入した。意外なことに、葉緑体内が還元的といわれている明条件では酸化的、酸化的といわれる暗条件では還元的と、葉緑体内と鞭毛内が逆の光応答を示すことがわかった。現在このさらなる検証実験を行っている。(2)については、酸化・還元薬剤が、2本のそれぞれ異なる鞭毛の動きに大きく影響を与えることが判明した。現在論文化の準備をしている。(3)については、走光性の正負逆転株については論文にまとめることができた。さらに、正負が固定される株など新たなミュータントについても次世代シーケンスと古典遺伝学の併用で候補遺伝子を絞ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
どれか1つは難航することを予想して3つの柱を立てたが、全てで順調な成果が挙げられている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)については、光条件を変化させるなどして鞭毛内レドックスと光の関係をさらに突き詰め、論文にまとめる。(2)については論文を受理にまでもっていく。(3)については遺伝子を同定し、論文にまとめる。計画の最終年度であり、3つの柱すべてを論文化して発表することを目標とする。
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[Journal Article] Eyespot-dependent determination of the phototactic sign in Chlamydomonas reinhardtii2016
Author(s)
Ueki, N., Ide, T., Mochiji, S., Kobayashi, Y., Tokutsu, R., Ohnishi, N., Yamaguchi, K., Shigenobu, S., Tanaka, K., Minagawa, J., Hisabori, T., Hirono, M., Wakabayashi, K.
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Journal Title
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
Volume: 113
Pages: 5266-5304
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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