2016 Fiscal Year Annual Research Report
異常レベルに応じた選択的な細胞死誘導
Publicly Offered Research
Project Area | Homeostatic Regulation by Various Types of Cell Death |
Project/Area Number |
15H01385
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
谷口 喜一郎 学習院大学, 理学部, 助教 (20554174)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細胞死 / 非再生系 / ショウジョウバエ |
Outline of Annual Research Achievements |
1. JAK-STATシグナルによる細胞死許容メカニズム 附属腺では、分化状態の異常 (転写因子Pairedレベルの低下) に相関して、JAK-STATシグナルが上昇する。また、上皮性異常によりPvrシグナルが誘導される。細胞死誘導においては、Pvrシグナルが細胞死トリガー、JAK-STATシグナルが細胞死許容として機能することが明らかになった。今回、JAK-STATシグナルによる細胞死の許容メカニズムを解明すべく、下流因子の同定を目指した。その結果、JAK-STATシグナルは、イニシエーターカスパーゼDroncの発現を上昇させることが明らかになった。また、Droncを不活化することで、Pvr依存的な細胞死誘導が部分的に抑えられた。これらの結果から、JAK-STATシグナルは、Droncの基礎発現量を上昇させることで細胞死誘導を起こしやすくしている(許容)と考えられた。 2. Pvr・JAK-STATシグナルによる選択的細胞排除の意義 附属腺では、Pvr・JAK-STATシグナルが異常センサーとして協調的に機能することで、異常細胞の選択的排除が誘導される。一方で、非再生系組織である附属腺においては、細胞排除は組織喪失のリスクも伴う。そこで、細胞排除機構の意義を明らかにするために、Pvr・JAK-STATシグナルを人為的に抑制し、加齢時の附属腺への影響を調べた。その結果、細胞排除誘導シグナルの抑制は、大規模細胞死や組織サイズの縮小を引き起こすことが明らかになった。これは、異常細胞生存し続けたため、周囲の正常組織を巻き込んだ壊死を生じた結果であると予想される。これらの結果から、選択的細胞排除は、あらかじめ異常な老化細胞を取り除くことで、大規模な組織喪失を防いでいると考えられた。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)