2016 Fiscal Year Annual Research Report
脳虚血後の細胞死が誘導する脳修復メカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Homeostatic Regulation by Various Types of Cell Death |
Project/Area Number |
15H01387
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
七田 崇 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (00598443)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細胞死 / 炎症 / 脳梗塞 / 炎症の収束 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳虚血に伴う大量の脳細胞死に伴って、脳梗塞巣では強い炎症が惹起される。炎症を惹起するのは、虚血に陥った脳細胞で産生される炎症惹起因子(DAMPs)である。炎症は脳梗塞発症数日程度で収束(沈静化)するが、このDAMPsが脳組織に存在する限り炎症が遷延化するものと考えられる。本研究ではDAMPsが脳組織から排除されるメカニズムを解明した。 具体的には、DAMPsとして機能する脳に内在するタンパク質であるHMGB1やperoxiredoxin(PRX)のようなタンパク質がマクロファージによって細胞内に取り込まれて排除されることを発見した。脳梗塞内に浸潤したマクロファージは、Scavenger受容体であるMSR1を介してこれらのDAMPsを認識し、細胞内に取り込む。MSR1遺伝子を欠損したマウスや、MSR1の阻害剤を投与したマウスで脳虚血モデルを作製すると脳梗塞におけるDAMPsの排除が阻害され、脳内の炎症が悪化し、梗塞巣が拡大して神経症状が悪化した。 脳梗塞巣に浸潤したマクロファージのMSR1発現の経時変化を調べたところ、発症後3~6日後の炎症収束期においてMSR1の発現が上昇することが判明した。MSR1を強く発現するマクロファージは効率的にDAMPsを排除でき、さらに炎症性サイトカインを産生せずに神経栄養因子を産生する修復担当細胞であることを発見した。このようなMSR1を強く発現するマクロファージの誘導には、転写因子Mafbの働きが重要であることが証明できた。実際にマクロファージ特異的にMafbを欠損するマウスで脳虚血モデルを作製するとDAMPsの排除が阻害されて脳梗塞の病態が悪化した。逆にビタミンA誘導体のタミバロテンを投与するとMafbを介してMSR1の発現を誘導することができ、脳梗塞後の炎症収束を早めることができた。 以上のように細胞死に伴う炎症収束メカニズムの解明に成功した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)