2016 Fiscal Year Annual Research Report
光合成の酸素パラドクスを統御する低酸素センサー転写制御タンパク質の作動原理
Publicly Offered Research
Project Area | Oxygen biology: a new criterion for integrated understanding of life |
Project/Area Number |
15H01397
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤田 祐一 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (80222264)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 窒素固定 / 低酸素 / 転写制御タンパク質 / CnfR / シアノバクテリア / ChlR / クロロフィル生合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
CnfRは窒素固定性シアノバクテリアに普遍的に分布し、窒素固定遺伝子群の転写を活性化するマスターレギュレーターである。これまでに私たちの研究から、CnfRは、低酸素と窒素枯渇という窒素固定に必要とされる2つの要因を感知統合し、活性化型に変換され、nifBおよびnifP上流のcisエレメントを認識し転写を誘導することが明らかとなってきた。今年度は、低酸素感知とDNA結合に焦点を絞り、CnfRの生化学的解析を行った。N末端にStrep-tagを連結した融合タンパク質として大腸菌で大量発現、Strep-tagによるアフィニティ精製を試みたが、アフィニティ精製直後速やかに凝集し沈殿してしまうという性質を示したため、精製タンパク質をもちいたDNA結合等の実験は難航した。C末端にHis-tagを連結するpETベクターに切り替えて、精製を1M NaCl存在下で行ったところ、沈殿形成が抑制された。この融合タンパク質CnfR-Hisは、好気・嫌気条件によらず茶褐色を呈し、鉄硫黄クラスターを保持することを示唆する吸収スペクトルを示した。また、好気条件での精製標品へのジチオナイト添加もしくは嫌気条件での精製標品の好気条件への曝露により、特徴的な吸収スペクトル変化を示した。昨年度特定したcis配列に対応するDNA断片との結合をゲルシフトアッセイで評価した。その結果、嫌気・好気いずれの条件においてもこのDNA断片と特異的な結合シグナルが観察された。また、cis断片に含まれる隣接する2つのモチーフからなるより短いDNA断片との結合を評価したところ、嫌気と好気で移動度の異なる2つのシグナルの量比に明瞭な違いが認められた。これらの結果から、CnfRは酸素レベルに応じて鉄硫黄クラスターの酸化還元を介してCnfR-DNA複合体が構造変化を起こすことが初めて示唆された。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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