2016 Fiscal Year Annual Research Report
分子標的MRIを基盤とした低酸素・活性酸素種・レドックス活性可視化への挑戦
Publicly Offered Research
Project Area | Oxygen biology: a new criterion for integrated understanding of life |
Project/Area Number |
15H01403
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 輝幸 京都大学, 工学研究科, 教授 (20211914)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 酸素生物学 / 腫瘍低酸素領域 / りん光発光 / ルテニウム錯体 / Hoechst / DNA 結合性 / 酸素濃度センサー |
Outline of Annual Research Achievements |
酸素は、生体が生命活動を維持するために必要なエネルギーの産生に不可欠な物質であり、その消費は様々な生命機能と深く関わっている。例えば、成長過程など細胞が活発な活動をする際にはエネルギーの産生が必要であり、酸素消費が増進する。一方、酸化ストレス等により細胞内ミトコンドリアに異常が起こると、酸素消費量は低下する。従って、酸素と生命機能には強い相関があり、細胞内での酸素量をリアルタイムに可視化する分子プローブの開発が求められている。 そこで本新学術領域研究では、細胞核内にプローブを送達する Hoechst33258 とりん光発光性ルテニウム錯体との複合化により、新しい細胞核内酸素濃度検出プローブ(Ru-Hoechst)を設計・合成し、その機能を評価した。 まず、Ru-Hoechstプローブの水溶液に、405 nm の励起光を照射すると、600 nm 付近にルテニウム錯体由来のりん光発光が観測された。水溶液の溶存酸素濃度を変化させたところ、ルテニウム錯体に由来するりん光発光は、酸素濃度の増大に伴い減弱した。従って、Ru-Hoechstプローブは、酸素濃度の変動を可視化する機能を有することが明らかとなった。なお、Stern-Volmer プロットから算出した KSV 値は 982 M-1 であり、りん光発光は、酸素濃度の変動に対する応答であることが示された。Ru-Hoechst プローブは高い DNA 結合特性を有する。すなわち、A549 細胞の細胞核にRu-Hoechst プローブを集積させ。培地中の酸素濃度を 20% から 0% に変化させ、再度 20% に戻した結果、酸素濃度の変動に応答したりん光発光強度の増減が観測された。 以上の様に、Ru-Hoechst プローブは、細胞の分化・発生において重要な役割を果たす細胞核の機能解明に有効なプローブである。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)