2015 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞エイジングを制する栄養環境シグナルメディエーター
Publicly Offered Research
Project Area | Establishing a new paradigm of the pathogenesis of diseases through the understanding of stem cell aging |
Project/Area Number |
15H01509
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
平尾 敦 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (90343350)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 造血幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
造血幹細胞は、自己複製と分化能を適切に制御し、その未分化性と恒常性を保っている。幹細胞制御機構の破たんは、血液組織の老化の原因となると考えられるが、その詳細は不明である。本研究では、栄養環境変化による造血幹細胞動態制御、特に自己複製能を指標に、そのメディエーターを特定することによって、幹細胞老化の分子基盤を明らかにすることを目標とした。本年度は、造血幹細胞老化に重要であるとされるオートファジーについて着目し、老化過程における造血幹細胞の質的変化におけるオートファジーの役割を解明する目的で、Atg5flox /Rosa-CreER,Atg5flox /Mx-Creマウスを作出した。これらのマウスを5週齢程度まで生育させ、その後、タモキシフェンおよびpIpC投与にて、Atg5の欠損を全身的に誘導し、造血への変化を観察した。8-12週齢における観察の結果、顕著な幹細胞集団への影響は認められなかった。このことから、本実験系は、オートファジーが欠失した場合の加齢における造血幹細胞変化を観察するために有用な実験系であると考え、その準備を行った。一方で、野生型マウスを用い、加齢に伴い発現変動を示す分子の解析を行った。その結果、サイトカインシグナルの調節や接着シグナルに関わる分子の発現亢進を認めた。そこで、これらの分子の老齢マウスにおける機能解析を行うため、加齢マウスの準備を開始した。以上の取り組みは、造血幹細胞の老化の制御の理解に貢献するものと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備実験によって得られた成果や材料を十分に活用し、解析を進めることができたため、順調に研究が進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
加齢マウスの解析に取り組み、老化表現型と分子メカニズムの理解を通じて、造血幹細胞エイジングの本態解明に取り組む。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Novel oral transforming growth factor-β signaling inhibitor EW-7197 eradicates CML-initiating cells.2016
Author(s)
Naka K, Ishihara K, Jomen Y, Jin CH, Kim DH, Gu YK, Jeong ES, Li S, Krause DS, Kim DW, Bae E, Takihara Y, Hirao A, Oshima H, Oshima M, Ooshima A, Sheen YY, Kim SJ, Kim DK.
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Journal Title
Cancer Sci.
Volume: 107
Pages: 140-148
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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