2015 Fiscal Year Annual Research Report
N末端アレスト配列による巨大新生鎖の翻訳速度調節
Publicly Offered Research
Project Area | Nascent-chain Biology |
Project/Area Number |
15H01546
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
森戸 大介 京都産業大学, 総合生命科学部, 研究員 (20514251)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ミステリン / RNF213 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はモヤモヤ病の鍵因子として新規遺伝子ミステリンを同定・クローニングした。ミステリン遺伝子には分子量約60万の巨大タンパク質がコードされているが、このタンパク質のN末端付近に翻訳アレスト配列と思われる配列を見出した。通常、このタイプの翻訳アレストは翻訳終結異常時に3末端非翻訳領域で起こることが知られているが、ミステリンの場合、5末端付近の読み枠内にアレスト配列があったことから、この箇所でのアレストの有無と、アレストが有る場合にはその生理的意義の解明を目的として、生化学的検討を進めた。その結果、この箇所で強い翻訳アレストが実際に起こっていることを示唆するデータを得た。次にこの翻訳アレストにより、ミステリンタンパク質が受ける影響について検討を行ったところ、翻訳アレストによりむしろミステリンの合成が正に制御されていることを見出した。この現象の詳細を明らかにするため、新生鎖プロファイリング手法を開発し、ミステリンの翻訳状態について詳細に検討したところ、翻訳アレストによる新生鎖長特異的な合成制御現象があることを見出した。この合成制御にはタンパク質構造形成・分解が関わることが予想されたため、タンパク質合成および安定性について放射性同位ラベルを用いた検討を行い、翻訳アレストが合成に与える影響について解明を進めることができた。またミステリン以外に同様の制御を受ける巨大タンパク質を探索し、同定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
巨大新生鎖プロファイリングの手法を確立し、ミステリンの翻訳アレストとその生物学的意義について、解明の目途をつけることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ミステリンの翻訳アレスト現象の詳細について検討を進めると共に、他の巨大タンパク質における翻訳アレストと翻訳効率の相関についても検証を行う。
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[Journal Article] Proteotoxic stress and ageing triggers the loss of redox homeostasis across cellular compartments.2015
Author(s)
Kirstein J, Morito D, Kakihana T, Sugihara M, Minnen A, Hipp MS, Nussbaum-Krammer C, Kasturi P, Hartl FU, Nagata K, Morimoto RI.
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Journal Title
The EMBO Journal
Volume: 34
Pages: 2334-49
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research