2016 Fiscal Year Annual Research Report
細胞間伝播を導くタウの細胞外放出の分子機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Prevention of brain protein aging and dementia |
Project/Area Number |
15H01552
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 薫 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (00735152)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年タウの凝集が細胞間を伝播することでタウ病理が進展する機構の存在が明らかになったが、そのメカニズムは十分明らかになっていない。本研究では、タウの細胞間伝播において、細胞内在化し核となって新規タウ凝集を促進する活性をseeding活性と定義し、これを指標とすることで伝播を担うseedタウの細胞外分泌機序を明らかにすることを目標とした。Seeding活性の検出にはCFP、YFPがそれぞれ融合したRDを発現し、凝集体形成依存的にFRETを生じるタウbiosensor細胞を用いることにした。まずP301S変異型全長タウを過剰発現する細胞に対し、タウ線維を導入することで、タウ凝集体を形成する伝播のドナー細胞を作成した。その培養上清をタウbiosensor細胞に添加したところ、FRETが生じ、タウの細胞間伝播が細胞外腔を介して生じることが確かめられた。Seeding活性は高分子量域に特異的に検出され、モノマーとは異なるタウ分子によって伝播が生じていることが示唆された。さらに培養上清を抗タウ抗体によってimmunodepletionすると、seeding活性が減少し、タウの伝播は抗体と結合可能なフリーなタウ分子によって生じていることが考えられた。その一方でドナー細胞培養上清のexosome画分においても、seeding活性が検出され、exosomeを介した細胞間伝播も示唆された。本研究によって、タウの細胞間伝播には抗タウ抗体が直接結合可能なフリーなタウによるものと、抗体が結合できない細胞外小胞exosomeによって生じる伝播の少なくとも二種類のパスウェイが存在することが明らかになった。Seed tauのexosome非依存的タウな分泌機構は未だ不明であり、今後明らかにしていく必要がある。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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