2016 Fiscal Year Annual Research Report
生物規範工学に関する消費者への価値提示型対話による社会実装のための調査
Publicly Offered Research
Project Area | Innovative Materials Engineering Based on Biological Diversity |
Project/Area Number |
15H01597
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
香坂 玲 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (50509338)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生物模倣技術 / 特許 / 学術論文 / 技術者 / 科学者 / 技術ユーザー / 社会実装 / メディア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、学術誌の特集号(日本知財学会誌 Vol.13 No.2)の編著を行い、本研究及び領域全体の成果についても発信を行った。本特集号は研究者のみならず企業関係者も執筆者として参画する構成として、社会実装の多様な担い手を含む情報発信を実施した。学会発表では、知財学会、国際学会での発表に加え、日独の国際学会にて招待講演を行った。 具体的な実績の内容に関しては、まず、消費者を含む一般技術ユーザーの視点についても調査を行い、科学者、技術者の視点との差異の検証を行った。国立科学博物館における生物模倣技術の企画展示会への来訪者を対象に調査を行い、技術の価値が提示される前後の状況に関して、対象者の技術に対する期待や意識の調査を行った。その結果、比較的高い年齢層で価値の提示によって期待度が高まる傾向等が明らかとなった。さらに、技術ユーザーは医療分野に期待を寄せる傾向がみられ、日本において、論文発表に加え、技術開発の促進にともなう特許出願が求められる状況が把握された。また、メディア分析として新聞記事のテキスト分析を行い、生物そのものを扱うバイオテクノロジーから、その表面構造、動き、機能等を模倣する技術に注目する報道の変遷が特定された。さらに、特許や論文を発表する主体の社会実装に関する姿勢や意識について、個別ヒアリング、質問票等による調査も含め詳細調査を行った。結果、日本において企業の技術が論文を発表しにくい環境にあることが明らかとなった。特許と論文の分析に関しては、他の注目技術等と、生物模倣技術の傾向を比較したところ、日本の傾向は、特許が先行し、論文については国際的な影響力が小さい状況が共通してみられることが特定され、論文発表に反映される基礎的な研究の促進と、成果を実社会へ伝達するコミュニケーション手段の確立が日本の課題として見出された。尚、技術ユーザー分析結果は国際学術誌に投稿中である。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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