2015 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内小胞輸送を駆動するダイニン分子の活写
Publicly Offered Research
Project Area | Novel measurement techniques for visualizing 'live' protein molecules at work |
Project/Area Number |
15H01629
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢島 潤一郎 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (00453499)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ダイニン / 高速AFM / ダイナクチン / 微小管 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ダイニン1分子が動く姿を高速AFMを用いて活写し、ダイニン分子の構造変化や動的な構造特性および微小管上での歩行方法を明らかにし、(2)独自の3次元位置検出機構と共焦点ユニットの統合により細胞内の小胞等微粒子の3次元位置検出のための顕微システムの高度化を実現し、in vivoでダイニン分子が担う物質輸送プロセスを3次元空間でイメージングする。上述の(1)で明らかとなるダイニンの分子レベルでの運動様式から、ダイニン分子で駆動される細胞内物質輸送の渋滞・衝突の回避機構を解明することが本申請研究の目的である。本年度は主に、a)細胞質ダイニン分子及び細胞質ダイニンと結合して運動の制御を行うダイナクチン複合体の高速AFMでの動的活写計測のための条件検討を行った。ダイニン分子の発現・精製方法を検討し、試料の収量および純度を上げた。さらに、高速AFMにより微小管上を移動するダイニン分子を明瞭に撮影するため、微小管のシート化の方法を検討してシート化微小管の作成を試み、作成方法を電子顕微鏡により評価した。b)共焦点光学系にさらに3次元位置検出ユニットを統合したイメージングシステムの開発に着手し、溶液中の微粒子の3次元位置の校正方法および解析方法を検討した。c)ダイニン分子で駆動される量子ドットのような疑似小胞のin vitroでの運動性の検証を行うとともに、in vivoでの定量のため量子ドットを細胞内に導入する方法として、セミインタクト・リシール技術の条件検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画で掲げていた、(1)高速AFMによる測定のためのコンストラクト作成、試料調整、(2)ダイニン駆動による小胞の輸送を観察する光学系の構築において、予定通りの成果が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に検討した方法によりダイニン分子等を単離・精製し、高速AFMにより様々なヌクレオチド状態で撮影を行い、ヌクレオチド状態に依存した動的構造特性を検証する。細胞内でのダイニン駆動の小胞の移動の定量化を行う。
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Research Products
(5 results)