2015 Fiscal Year Annual Research Report
ヘムトランスポーターの動的結晶構造解析
Publicly Offered Research
Project Area | Novel measurement techniques for visualizing 'live' protein molecules at work |
Project/Area Number |
15H01655
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
杉本 宏 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学総合研究センター, 専任研究員 (90344043)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 金属タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
病原微生物と宿主との間には鉄の争奪戦がくりひろげられている。病原菌がヒトに感染した際には、血液のヘモグロビンからヘム(鉄ポルフィリン錯体)の形で鉄を奪い取り、増殖に必要な多くの重要な機能に活用する。我々は病原菌がヘムを細胞内に取り込むABC型ヘムトランスポーターの作動原理を明らかにすることを目的にX線結晶構造解析を進めてきた。5つのサブユニットからなる複合体の構造解析の結果、膜貫通領域の中心を通っている基質輸送チャネルが、ヌクレオチド結合サブユニットへのATPの結合や加水分解によって大きな構造変化を引き起こすことが示唆された。これまでにいくつものABC型のトランスポーターの構造解析が報告されているが、ヘムトランスポーターについてはATP結合や加水分解反応が基質輸送におけるどこの過程にあるのか、という基本的な現象の動作メカニズムが未解明である。そこで本研究では溶液および結晶相でヘムトランスポーターの反応開始を光でトリガーし、ATP加水分解・二次構造変化・輸送基質の環境変化を赤外分光法および可視吸収分光法で追跡すると同時に、時間軸に沿って結晶構造解析を行うための技術開発を行った。レーザー分光技術を駆使して少量のタンパク質の溶液試料や結晶試料を用いてマイクロ秒の時間分解能で計測可能な分光装置の開発を行った。また、ヘム感知・輸送のシグナリングタンパク質やヘムトランスポーターの別の状態での構造解析ならびに機能解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
レーザー分光技術を駆使して少量のタンパク質の溶液試料や結晶試料を用いてマイクロ秒の時間分解能で計測可能な分光装置の開発が順調に進展した。また、タンパク質試料の結晶化のための調製方法の確立に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに開発をおこなってきた装置を利用してトランスポーターの基質であるヘムの周囲の環境変化やATPの結合・加水分解反応を時間分解的に追跡する計画である。また、結晶内でのATP結合および加水分解反応を分光法で追跡するための装置の整備および時間分解測定を行う。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] A nearly on-axis spectroscopic system for simultaneously measuring UV-visible absorption and X-ray diffraction in the SPring-8 structural genomics beamline2016
Author(s)
Sakaguchi, M., Kimura, T., Nishida, T., Tosha, T., Sugimoto, H., Yamaguchi, Y., Yanagisawa, S., Ueno, G., Murakami, H., Ago, H., Yamamoto, M., Ogura, T., Shiro, Y., Kubo, M.
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Journal Title
Journal of Synchrotron Radiation
Volume: 23
Pages: 334-338
DOI
Peer Reviewed
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