2015 Fiscal Year Annual Research Report
神経修飾法による新しい運動障害治療の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Understanding brain plasticity on body representations to promote their adaptive functions |
Project/Area Number |
15H01658
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濱田 雅 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40708054)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 経頭蓋磁気刺激法 / 神経修飾 / 運動障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究項目の目的は神経修飾法による新しい運動障害治療の開発である。強力な神経修飾法であるQPSを用いて運動障害疾患の治療を確立するため、今年度はQPSの効果のばらつき具合を明らかにした。研究代表者らのグループは,QPSの効果のばらつきを健常成人35名で検討した。QPSはLTP様効果をもたらす刺激間隔5ms(QPS5)とLTD様効果をもたらす50msを使用した。QPS前後でMEPを測定し効果を判定した。QPS5では86%の被験者がLTP様効果を示し、QPS50では94%の被験者でLTD様効果が示された。他のrTMSプロトコールではばらつきが大きく、被験者の半数しか期待通りの反応を示さないことが明らかになっており、それに比してQPSは安定した効果を誘導できることを証明できたことは、今後の臨床応用にあたり多くの患者で同様の効果を誘導できる可能性を示唆しており意義深いと考えられる。本研究成果はBrain Stimulation誌に発表した。また神経修飾法による行動指標への効果を検討するため、ピンチメータを用いて小脳運動学習測定系を確立した。また予備的に実験により、ある種の神経修飾法により運動学習阻害効果があることを確認した。更に歩行への影響を見るために歩行解析システムの構築を行った。これらの知見をもとに来年度以降は実際の運動障害の治療を視野に入れ神経修飾法による歩行を含む行動指標への影響を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね予定した通り研究は進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
まず当初予定していた通り多数部位同時刺激によるネットワークモデュレーションを試験的に行う。また運動学習は誘導電流方向依存的ではなかったものの、他の運動学習では誘導電流依存性が認められる可能性があるため、それを検討する。さらに神経修飾法のMEPに対する効果に誘導電流依存性があるかどうか検討する。最後にQPSなどの神経修飾法を用いて運動障害患者における歩行にどのように影響があるか検討することとする。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Variability in response to quadripulse stimulation of the motor cortex2016
Author(s)
Nakamura K, Groiss SJ, Hamada M, Enomoto H, Kadowaki S, Abe M, Murakami T, Wiratman W, Chang F, Kobayashi S, Hanajima R, Terao Y, Ugawa Y
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Journal Title
Brain Stimulation
Volume: 未定
Pages: 未定
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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