2016 Fiscal Year Annual Research Report
構造情報に基づいた機能変換による膜孔形成毒素の会合機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Dynamical ordering of biomolecular systems for creation of integrated functions |
Project/Area Number |
16H00748
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 良和 北海道大学, 先端生命科学研究院, 准教授 (20374225)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | タンパク質 / 構造解析 / 膜孔形成毒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
病原性微生物がホスト細胞に障害を与えるために産生する膜孔形成毒素は,可溶性の単量体として分泌されるが,ターゲット細胞に接すると膜上でpreporeと呼ばれる円状の会合体を形成した後,劇的な構造変化を起こして膜孔を形成する.黄色ブドウ球菌は,3種類の非常に類似した膜孔形成毒素(Hla,LukF,Hlg2)を分泌するが,Hlaはホモ7量体の膜孔を形成するのに対し,LukF,Hlg2は交互に会合したヘテロ8量体の膜孔を形成する.毒素同士がどのようにして特定のパートナーとのみ特異的に会合して膜孔を形成するのか,また,7量体・8量体という分子の会合数がどのようにして決定されるのかについては,明らかにできていない.本課題では,構造解析から提唱された機構を基に変異体蛋白質を合理設計し,毒素の会合特性を改変することを通して,これらの毒素の自己組織化機構を解明する. 平成28年度は,HlaとLukFの相同性が高いことに着目し,Hlaの特徴的な配列領域をLukFに導入した.具体的には,N末端アミノラッチ領域をHlaの配列に置換したLukF(LukF-Mu1)と細胞膜結合領域をHlaの配列に置換したLukF(LukF-Mu3)の発現ベクターを作成した.また,これらの蛋白質を大腸菌発現系により大量発現させ,Niアフィニティークロマトグラフィーにより精製した.各蛋白質とも機能解析に十分な量の試料が得られた. LukF-Mu1については,MPD添加による会合体形成能を評価したが,自発的な会合は確認できなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
機能改変を目指した2種類の変異体をデザインし,その発現系を構築できた.次年度に機能解析するために十分な量の試料を得ることができており,当初の計画は順調に進んでいると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
得られた変異体蛋白質の溶血活性を,ヒト赤血球を用いて評価する.分子特性の変化が確認できた場合は,その立体構造解析を行う.
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Biochemical and structural characterization of oxygen-sensitive 2-thiouridine synthesis catalyzed by the iron-sulfur protein TtuA2017
Author(s)
Minghao Chen, Shin-ichi Asai, Shun Narai, Shusuke Nambu, Naoki Omura, Yuriko Sakaguchi, Tsutomu Suzuki, Masao Ikeda-Saito, Kimitsuna Watanabe, Min Yao, Naoki Shigi and, Yoshikazu Tanaka
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Journal Title
Proc. Natl. Acad. Sci. USA
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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