2016 Fiscal Year Annual Research Report
ロタキサン連結高分子系超分子における組織化制御
Publicly Offered Research
Project Area | Dynamical ordering of biomolecular systems for creation of integrated functions |
Project/Area Number |
16H00754
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高田 十志和 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (40179445)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | トポロジー変換 / ロタキサン / スターポリマー / 環状ポリマー / ミクロ相分離 / 高分子ロタキサン |
Outline of Annual Research Achievements |
高分子の形(トポロジー)とその物性・機能には密接な関係がある。しかしながら、同一の分子でその形を大きく変化させることは通常困難である。本研究では、高分子の連結点にロタキサン結合を組み込むことで各高分子鎖の相対位置を変化させることにより、そのトポロジーを自在に変換できる新たな刺激応答性高分子の創成を目指した。 本年度は、(i)動的な結合点を有する高分子量トリブロック共重合体の合成とそのトポロジー変換、(ii)酸-塩基スイッチングによる可逆的な線状-分岐上トポロジー変換を行った。(i)では動的な結合点を有するポリバレロラクトン、PEG、ポリスチレンからなるトリブロック共重合体の合成と線状-分岐型トポロジー変換を行った。トポロジー変換はポリスチレン鎖を有するクラウンエーテルと相互作用するアンモニウム部位をN-アセチル化することによりその相互作用を切断し、同一高分子鎖上の異なる末端に導入したウレタン部位へと移動させることにより達成した。トリブロック共重合体の合成とそのトポロジー変換はSEC、NMR、MALDI TOF MS測定から確認した。 (ii)では相互作用点として働くアンモニウム塩部位をN-メチル化することにより、可逆的に線状-分岐上トポロジー変換可能な高分子を合成した。トポロジー変換前後でその粘弾性挙動が変化することも明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的の一つである可動な連結点を有するトリブロック共重合体の合成とそのトポロジー変換を達成し、これまでは不可逆であったトポロジー変換システム系に可逆性を付与することに成功したことから、研究は概ね順調に進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に大きな変更点はない。昨年度に合成したロタキサン連結トリブロック共重合体は各成分が比較的高い分子量を有しており、トポロジー変換前後で異なるモルホロジーをとることが期待されるため、これをAFM、TEM測定により明らかにする。また、クラウンエーテルとアンモニウム塩部位を有する分子が形成する自己二量体構造及びロタキサンの動的特性を活用した環状高分子の効率的合成を行う。
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