2017 Fiscal Year Annual Research Report
揺らぐ非平衡構造によるフィードバック制御:べん毛モーターのトルク発生機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Synergy of Fluctuation and Structure:Foundation of Universal Laws in Nonequilibrium Systems |
Project/Area Number |
16H00791
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鳥谷部 祥一 東北大学, 工学研究科, 准教授 (40453675)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | べん毛モーター / 回転電場法 |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度に構築したトルクスピードカーブ測定法を発展させ,以下の成果を挙げた. 1. 固定子の蛍光観察.蛍光たんぱく質を融合した固定子を用い,固定子のモーターへの結合数を蛍光強度から測定できる系を構築した.この実験系は,すでに他研究室で実現されているが ,当研究室では,回転電場法と組み合わせることで,今後,トルク発生と固定子脱着の同時観察に挑戦する. 特に,負荷をON/OFFさせて蛍光強度変化のタイミングを測定することで,固定子の結合・解離の時定数の負荷依存性を決定することを目指す.これらの実験から仮説を検証し,固定子の結合解離メカニズムを究明する. 2. 解析法の改良.テザードセル法では,回転の揺らぎが小さいため,実験系のノイズの影響が大きくなり,測定に大きな問題が生じていた.そこで,Speck-Seifertの等式[Speck and Seifert, EPL 74, 391(2006)]を用い,回転速度から角度ごとの局所的な平均速度を引くことで,実験系のノイズを著しく減らすことに成功し,揺らぎの高精度測定が可能となった.これにより,より正確なトルクスピードカーブが得られるようになった. 3. 変異型モーターのトルクスピードカーブの測定.プロトンの流れが遅い変異型(M206IおよびD33E),および,固定子がなく回転ブラウン運動をする変異型(ΔMotAB)を用い,トルクスピードカーブを測定した.これまで,M206Iはゼロトルクスピードが低く,また,D33Eはストールトルクおよびゼロトルクスピードが低いことが知られていた.回転電場法を用いた本研究においても,同様の傾向が得られ,測定法の妥当性を実証することができた. 以上の2および3について論文を執筆中である.
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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