2017 Fiscal Year Annual Research Report
New approach to nonequilibrium physics with gauge/gravity correspondence
Publicly Offered Research
Project Area | Synergy of Fluctuation and Structure:Foundation of Universal Laws in Nonequilibrium Systems |
Project/Area Number |
16H00810
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
中村 真 中央大学, 理工学部, 教授 (00360610)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | AdS/CFT対応 / ゲージ・重力対応 / 非平衡定常状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はゲージ・重力対応を用いて、非平衡相転移の臨界点における新たな臨界指数の計算を行った。また平衡系の温度および非平衡定常状態における有効温度のローレンツ変換則をゲージ・重力対応を用いて導出した。 1.非平衡相転移における臨界指数の計算 本研究では定常電流の流れる非平衡定常状態で発現する非平衡相転移に関して、新たな臨界指数の計算を行った。先行研究では、βおよびδに相当する臨界指数が得られていた。本研究では新たに感受率に相当する物理量として電気伝導度を電流密度で変分した量を定義し、この量の臨界点近傍の振る舞いからγに相当する臨界指数を計算した。この結果、既に得られていたβ、δとともに、γについても平衡系のランダウ理論の値(β=1/2、δ=3、γ=1)に整合する結果が得られた。この結果は、この非平衡相転移の背後にランダウ理論に類似の有効理論が存在することを示唆する。この成果はarXiv:1804.10124としてプレプリントサーバで公開され、現在学術雑誌に投稿中である。 2.平衡系の温度および非平衡定常状態の有効温度のローレンツ変換 温度のローレンツ変換については、いまだにいくつかの異なる変換則の提案が混在している。本研究では、平衡系をゲージ・重力対応によりブラックホール時空にマップし、ブラックホールのホーキング温度の変換性から温度のローレンツ変換を決定した。その結果、変換後の温度は変換前の温度にローレンツ因子の逆数がかかる形となることを示した。同様の議論は非平衡定常状態の有効温度についても適用でき、ローレンツ変換に対して有効温度も平衡系の温度と同じ変換を受けることを示した。この結果は、現在論文としてまとめている。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)