2017 Fiscal Year Annual Research Report
Free energy transduction by F1-ATPase and nonequilibrium fluctuation
Publicly Offered Research
Project Area | Synergy of Fluctuation and Structure:Foundation of Universal Laws in Nonequilibrium Systems |
Project/Area Number |
16H00811
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
宗行 英朗 中央大学, 理工学部, 教授 (80219865)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 分子モーター / F1-ATPase / 非平衡物理学 / 詳細釣り合い |
Outline of Annual Research Achievements |
ATPの加水分解/合成と,分子内部の γ サブユニットの回転を共役させる分子モーターであるF1-ATPaseの化学反応と力学反応の共役について,29年度は,28年度に引き続きEMアルゴリズム(expectation and maximization algorithm)を用いるポテンシャル推定のプログラムの改良を行った.前年度までに計算シミュレーションで作ったデータに関しては良好な結果が得られていたがノイズを含んだ実測データについては収束性が悪かった.これに対して,ノイズの少ないきれいな実験データを使うことと,計算を終了するタイミングの選び方でおおむね満足のゆく結果が得られるようになった. また,回転のトラジェクトリから一回転あたりに散逸するエネルギーの推定を行った.以前はHarada-Sasa等式を行い,これがATPの加水分解自由エネルギーからの計算と一致する結果が得られていたが,詳細釣り合いを用いる方法と,力の積分を用いる方法を用いたところ,両者ともATPの加水分解自由エネルギー差からの計算値より低めの値が出るという結果になった.これは形式的には拡散係数を求める計算に入る温度に温度計が示す温度ではなく,有効温度を用いるべきことを示唆している.この有効温度が必要になる理由の一つとして,拡散係数を測定する実験の時間分解能が十分でないことが考えられたため,実際に時間分解能を上げたデータと温度計が示す温度から拡散係数を計算したところATPの加水分解自由エネルギー差からの計算結果との一致性が向上した.現在,他の要因も含めて検討中である. その他に,理化学研究所の杉田博士の研究室との共同研究で,糖鎖の構造に関する分子動力学研究についての論文を出すことができ,中央大学の芳賀博士との共同研究研究で赤外レーザー光を用いて基盤表面にパターンを描く方法とその機構についての論文を出すことができた.
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(4 results)