2017 Fiscal Year Annual Research Report
光の射す方へ:微生物の動線をつくる流体力学
Publicly Offered Research
Project Area | Synergy of Fluctuation and Structure:Foundation of Universal Laws in Nonequilibrium Systems |
Project/Area Number |
16H00815
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
和田 浩史 立命館大学, 理工学部, 教授 (50456753)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 走光性 / 緑藻類 / 最適化 / 生物流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,ボルボックス光応答の集団運動にかんする最近の実験結果に注目し考察を進めた。この実験では,相対光強度を増すとともに,走行性を示す集団としての速度(平均速度)が比例して増加することが報告されている。 連携研究者の村山たち(東京農工大)は彼ら自身の上記の実験結果をさらに推し進め,個々のボルボックスコロニーは光の相対強度差とともに光源の向きをより正確にセンシングするようになる,ということを突き止めた。さらに,この応答特性は相対照度差のみに依存し、光刺激の強さそのものには依存しないことも示している。彼らは,彼らの実験結果は「コロニーを構成する各体細胞には、光驚動反応を示し始める固有の閾値のようなものがあり,その閾値は相対強度差のみに依存し,かつそれらには体細胞ごとに内在的なばらつき(分布)がある」と仮定すると矛盾なく説明できる,と提案している。 我々は現在,この仮説を検証する理論モデルを構築し,それを解析的および数値的に調べる作業に着手している。具体的には,先行するDrescherたちのモデル(PNAS 2009)をベースとする。これに加えて,各体細胞が鞭毛打の運動を停止する光刺激の強さ閾値に分布を持たせる。体細胞レベルの信号処理にかかわるばらつき(応答の分布)を導入することによって,完全にメカニスティックにふるまう先行研究のモデルに,ある種のランダムさが追加され,最終的には,コロニー集団が光刺激に対して全体として示すゆらぎやばらつきを創発する。現在,このミニマルなセットアップで村山らの実験結果がどこまで定量的に再現可能か,検証中である。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Plant-inspired pipettes2018
Author(s)
Keigo Nakamura, Tetsuya Hisanaga, Koichi Fujimoto, Keiji Nakajima and Hirofumi Wada
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Journal Title
Journal of the Royal Society of Interface
Volume: 15
Pages: 20170868
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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