2017 Fiscal Year Annual Research Report
柔らかな細孔表面をもつタンパク質結晶設計
Publicly Offered Research
Project Area | Science on Function of Soft Molecular Systems by Cooperation of Theory and Experiment |
Project/Area Number |
16H00827
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安部 聡 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (40508595)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 多角体 / タンパク質結晶 / 金属錯体 / 固体触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、タンパク質結晶の固い骨格構造の中にアミノ酸欠損により柔らかな表面構造をもつ細孔空間を構築し、金属錯体複合化による固体触媒の創製を目指した。平成29年度は、細胞内で結晶化する多角体を用い、アミノ酸を3残基欠損した変異体結晶にPd(allyl)錯体を固定化した複合体の構築と結晶構造解析、触媒反応への応用を試みた。 多角体単量体の分子界面に位置するアミノ酸3残基を欠損した変異体結晶と野生型の多角体結晶に50mM Pd(allyl)錯体をアセトニトリル溶液で24時間37度で反応させ、固定化した。ICP-MSと結晶サイズを測定することにより、多角体タンパク質あたりPd錯体の結合数を検討したところ、野生型では6.9個、変異体では5.1個のPd錯体が固定化されていた。複合体結晶のSEM-EDX測定では、Pd錯体は結晶全体に分布していることが示された。次に合成した複合体の結晶構造解析をSPring-8 BL32XUでマイクロビームの照射により行った結果、Pd錯体の固定化前後で全体構造は変化しないことがわかった。また、野生型、変異体ともPd錯体に対応する電子密度が観測され、多角体結晶のヒスチジンやシステインにPd錯体は結合することがわかった。また、変異体結晶では、分子間に位置するアミノ酸の電子密度がディスオーダーして構造が決定できない箇所が多くありPd錯体の固定化により分子間の構造が高く、柔軟性を有していることがわかった。アリルカルバイトの脱保護反応では、変異体が野生型より反応を進行させ、生成物を結晶内に固定化ができることがわかった。変異体の柔軟構造が基質分子の拡散や反応を促進させていると考えられる。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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