2017 Fiscal Year Annual Research Report
スイッチング機能を有する柔らかな分子結晶の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Science on Function of Soft Molecular Systems by Cooperation of Theory and Experiment |
Project/Area Number |
16H00843
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 治 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (80270693)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 分子結晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
光、電場、温度等の外場により物性が大きく変化する柔らかな機能性分子結晶を開発することを目指して研究を行った。その結果、電子的に柔らかな鉄コバルト錯体{[FeTp(CN)3]2Co(Bib)2}5H2O (Tp = hydrotris(pyrazolyl)borate, 1,4-Bis- (1H-imidazol-1-yl)benzene)を開発することに成功した。鉄コバルト錯体は、Bu4N[FeTp(CN)3]とCo(NO3)26H2Oを混合することにより合成した。単結晶X線構造解析により{[FeTp(CN)3]2Co(Bib)2}が二次元構造をとり、鉄とコバルトがシアノ基で架橋されていることが分かった。得られた物質の磁気特性を測定したところ、230 K 付近で相転移が誘起され、約6 Kの温度ヒステリシスを示すことが分かった。相転移温度の上下でメスバウアースペクトル測定、赤外吸収測定、及び単結晶構造解析を行ったところ、230 K 付近で鉄‐コバルト間で可逆な電荷移動が誘起されていることが分かった。また、温度を室温から上昇させると、約330 K付近でCoIIイオン周りの構造がわずかに変化し、軌道角運動量の寄与が増大することが分かった。さらに、鉄コバルト錯体{[FeTp(CN)3]2Co(Bib)2}5H2Oの温度変化に伴う構造変化をX線構造解析装置により評価した。その結果、電荷移動相転移が誘起される180 K-240 K間で単位格子体積が大きく変化し、その熱膨張係数が1498 MK-1であることが分かった。また、300 K-350 K間の熱膨張係数を求めたところ -489 MK-1であり、負の熱膨張を示すことが分かった。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)