2016 Fiscal Year Annual Research Report
ニュートリノ質量起源と新型暗黒物質
Publicly Offered Research
Project Area | Unification and Development of the Neutrino Science Frontier |
Project/Area Number |
16H00868
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
津村 浩二 京都大学, 理学研究科, 助教 (40648101)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 暗黒物質 / ニュートリノ |
Outline of Annual Research Achievements |
ニュートリノ質量と暗黒物質の存在は, 既に素粒子標準模型を超えた物理として揺るぎないものとなった. これまでニュートリノ質量起源と暗黒物質の関係は輻射型シーソー模型の枠組みで広く議論されてきた. このような研究において, 暗黒物質は「弱く物質と相互作用する」WIMP (Weakly Interacting Massive Particle) であると暗に仮定されてきた. 一方, 最新の研究として「強く自己相互作用する」SIMP (Strongly Interacting Massive Particle) 暗黒物質の可能性が指摘され, 注目を集めたため, 本研究ではSIMP暗黒物質を通してニュートリノが質量を獲得する新しいシナリオの構築を目指している. その最初の段階として, WIMP暗黒物質やSIMP暗黒物質の安定性に必要となる離散対称性(Z3やZ5など)が, レプトン数に対応するゲージ対称性から自動的に導かれるシナリオを確立した. これによりレプトン数の破れから暗黒物質の安定性とニュートリノのマヨラナ型の質量が同時に自然に導かれる. マヨラナ型の質量はレプトン数を2単位破るので, ニュートリノの質量起源としては適当であり, これにより暗黒物質の安定性が付加的に説明されたことになる. さらにこのような模型構築を考えると, プロトタイプ模型から出発して理論的に可能なレプトン数の破れのパターンを尽くすことで, 可能なニュートリノ質量模型を全て尽くすことが出来ることが発見された. ボトムアップで実験・観測の結果を説明する模型を構築する際には一般に無数の模型が構築されてしまうことが多いため, 模型の数が有限個に限られることは, その検証を考える際にとても重要となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた離散対称性の起源の研究は既に終わり, SIMPを含むニュートリノ質量模型の構築に薬種している.
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Strategy for Future Research Activity |
SIMPを含むニュートリノ質量模型を完成する. またニュートリノ物理からその新しい検証方法についても検討する.
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Research Products
(6 results)