2016 Fiscal Year Annual Research Report
Search of New Physics at the Planck Scale via Neutrino
Publicly Offered Research
Project Area | Unification and Development of the Neutrino Science Frontier |
Project/Area Number |
16H00871
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
波場 直之 島根大学, 総合理工学研究科, 教授 (00293803)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ニュートリノ / プランクスケール / ヒッグスポテンシャル / Multiple-point principle / CKMとPMNS / 古典的スケール不変性 / 電弱相転移 / 強結合ダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
ニュートリノのDirac湯川行列がダウンセクターの湯川行列と関係し、シーソー機構を通じて、CKM混合行列からニュートリノのPMNS混合行列が導出される可能性について調査した。クォーク湯川行列のくりこみ群方程式の詳細な解析を通じ、この可能性に基づくPMNS混合行列のDirac CP位相、二つのMajorana CP位相、およびニュートリノ質量の絶対スケールの予言を行なった。 プランクスケールに存在すると思われる古典的スケール不変性が、新たに導入したSU(N)Tゲージ理論(Nは3以上)の持つQCDに類似の強結合ダイナミクスにより破れる模型を構築し調査した。この時、標準模型ヒッグス場は質量項を持たないelementaryなスカラー場と、SU(N)Tゲージ理論の閉じ込めにより生じる複合場との線形結合として現れる。この複合場の質量項、およびelementaryスカラー場との混合項はダイナミカルに生じ、それらがボゾニック・シーソー機構により標準模型ヒッグス場のタキオン的質量項を与え、電弱相転移を正しく実現する。そこで、ヒッグス場の質量項の値から、SU(N)Tゲージ理論の強結合スケールを評価し、さらに、この模型の特徴的な予言として、220GeV以下の質量を持ち、電弱ゲージボゾンとWess-Zumino-Witten項により結合する擬スカラー粒子が存在することを発見した。 次に、古典的スケール不変性が、新たに導入したSU(2)Tゲージ理論の強結合ダイナミクスにより破れて、電弱相転移が実現する模型を構築し、ヒッグス・ポテンシャルがプランクスケールにおいて完全に消滅する(Multiple-point principle)原理を実現できることを発見した。さらに、この模型でMultiple-point principleが実現する場合、加速器実験において探索可能な新粒子が存在することを予言した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
未だ謎であり難しいと思われていた電弱相転移の起源をエレガントに説明できる模型の構築に成功し、さらに、実験での観測可能性を示すことができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究目標の達成に向けて昨年度以上に努力し、実験での観測可能性や予言を行いたい。
|
Research Products
(17 results)