2017 Fiscal Year Annual Research Report
原子核乾板ハイブリッド検出器によるニュートリノ反応断面積の精密測定
Publicly Offered Research
Project Area | Unification and Development of the Neutrino Science Frontier |
Project/Area Number |
16H00873
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
小川 了 東邦大学, 理学部, 教授 (10256761)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ニュートリノ / 反応断面積 / エマルション / 原子核乾板 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、2014年10月にJ-PARCのニュートリノ実験施設におけるテスト実験として採択されたT60実験の60kg鉄ECCの反ニュートリノビーム照射データを中心に解析を進めた。原子核乾板検出器であるECCは、OPERA実験をはじめとするニュートリノ実験に使われてきたが、高統計の反応断面積測定には使われた実績が無い。原子核乾板中の飛跡の情報を最大限に用いることにより、高効率で低バックグラウンドの測定を実現し、精密な反応断面積測定を実現する。 原子核乾板は、蓄積型の検出器であることから、宇宙線などのバックグラウンドの低減には、飛跡への時間情報を付与する必要がある。T60実験では、エマルションマルチステージシフターにより時間情報を付与するが、飛跡の再構成が1/24終了しており、これを用いたハイブリッド解析を行った。まだ、統計が十分では無いが、少なくとも1本の飛跡がINGRIDと対応が付くことを要求することにより、低多重度の反応まで解析が可能となり、バイアスの小さい解析が可能となっている。並行してECC中の反応点と飛跡情報のみによるニュートリノ反応の検出を進めている。この解析では、反応点からの飛跡数を増やせばバックグランドを減らすことは可能であるが、反応断面積の測定には多重度の少ないニュートリノ反応の検出が不可欠である。ニュートリノ反応の特徴であるECC中から始まる飛跡に対し、飛跡の再構成時に切断された低運動量の飛跡がバックグラウンドとして混入する原因が分かってきており、ニュートリノ-鉄反応断面積測定としてまとめられる予定である。 2017年度は、研究補助員の森元と大学院生の大島が中心となって、データ解析を進めた。成果は、9月と3月の物理学会で報告された。解析の状況および今後の展望は国際会議において小川が報告した。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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