2017 Fiscal Year Annual Research Report
CMB偏光Eモードの再訪で迫るニュートリノ質量和
Publicly Offered Research
Project Area | Unification and Development of the Neutrino Science Frontier |
Project/Area Number |
16H00874
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田島 治 京都大学, 理学研究科, 准教授 (80391704)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ニュートリノ / 宇宙背景放射 / 超伝導検出器 |
Outline of Annual Research Achievements |
CMB(宇宙マイクロ波背景放射)の偏光観測は、宇宙論のみならず、素粒子のひとつニュートリノの質量和についても知見を与える。そのプローブとなる重力レンズBモードが、近年ようやく測定可能となり、ニュートリノ質量和の測定もいよいよ現実味をおびてきた。しかしながら、ニュートリノ質量和(Σmν)の測定と宇宙の再電離度(τ)には強い相関があることが指摘されている。つまり、Σmνの測定精度がτの測定精度で頭打ちしてしまうのである。この困難の解決策が大角度スケールのEモード観測であり、その観測からτの測定精度が向上する。 τの測定を行うためには、前景放射とよばれる銀河放射の影響を理解するための多帯域観測、広い視野を観測するための高速変調にマッチした測定系の構築、そしてこれらに関連した系統誤差のコントロールが重要となる。特に、時間応答性にすぐれた次世代超伝導検出器MKIDとその多重読み出し手法の開発が重要であり、本課題では多重読み出し手法の開発に注力する。 前年度に開発した読み出し系を実際の観測に実践投入するために、測定系の自動化や検出器評価を行うソフトウェアの開発を行った。さらにそれらの開発成果を実際に用いて、超伝導検出器のノイズ評価、応答速度の測定、残留磁場の影響の測定などを実際に行なった。自動化機能により、効率的に短時間で評価実験を行うことができるようになった。さらに、信号入力に対するトリガー機能の実装により、検出器の信号応答速度を効率的に測定できる環境を実現した。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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