2017 Fiscal Year Annual Research Report
「ベイズ最適化を活用した」分子自己組織化による ナノ構造制御
Publicly Offered Research
Project Area | Exploration of nanostructure-property relationships for materials innovation |
Project/Area Number |
16H00879
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ベイズ最適化 / 密度汎関数理論 / 表面科学 / 分子自己組織化 / グラフェンナノリボン / 有機薄膜 / 有機エレクトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
髪の毛の直径の100000分の1、銅とほぼ同じ導電率であるグラフェンナノリボン(GNR)はナノエレクトロニクスのために活発に研究されている。GNRを合成するには「ボトムアップ」というアプローチが国内外の研究グループにうまく活用されている。ここでは、金属基盤に吸着したプリカーサ分子は互いに引きあい、GNRを自己組織的に形成する。このアプローチは容易なGNR合成を可能にするが、プリカーサ分子を正しく選ばないと分子自己組織化がうまく進まない。この背景の中、与えられたプリカーサ分子の自己組織化によって何が形成されるか予測するための計算手法が必要になった。
本研究では、ベイズ最適化を密度汎関数理論(=DFT)を導入し、金属基盤上のプリカーサ分子の振る舞いを解明するための計算手法を開発した。この手法では、DFTから得られた情報による系のエネルギー地形をベイズ分析で推定し、そのエネルギー地形からエネルギーを最小化にする分子配置を予測する。この手法では、金属銅に分子が2個吸着している系に対し、ほぼ15のDFT計算の範囲以内で最適な分子配置を特定することが可能であり、分子配置の無作為抽出と比べるとほぼ9倍の効率性を達成する。プリカーサ分子が2個以上の場合を取り扱えるように研究を進めている。また、新しいGNRを形成するためのプリカーサ分子を予測するという逆問題をベイズ最適化により解決できて、横に並んでいるGNR集合を形成するプリカーサ分子を特定した。実験検証は進んでいる。
本研究の期間内に、ベイズ最適化の簡単な入門書を出版した(Packwood. Bayesian Optimization for Materials Science, Springer Briefs in the Mathematics of Materials, Tokyo, 2017)。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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