2017 Fiscal Year Annual Research Report
アトムプローブと走査トンネル顕微鏡による材料内部の原子配列の完全な決定
Publicly Offered Research
Project Area | Exploration of nanostructure-property relationships for materials innovation |
Project/Area Number |
16H00887
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
黒川 修 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90303859)
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Project Period (FY) |
2016-06-30 – 2018-03-31
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / アトムプローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究によりナノメートルスケールの空間分解能での3DAP試料の形状の測定が可能であることが明らかになった. 3DAP試料のナノメートルスケールでの形状の情報を用いることで,3DAPのデータ再構成をより高精度で行うことが可能になるため,この実験結果は有意義であるが,本研究の特性を考えた場合,STMによる原子分解能観察は必須であると考えられる. 昨年度の研究においては走査のための探針としてシリコンピラミッドを用いた.表面の酸化を防止するため,水素終端化を行ったが,それでも先端部は一部酸化し,安定な操作が困難である場合が多かった.そこで本年度は走査用の探針として超高真空中でSi(001)上に形成させたTiシリサイドピラミッドを用いることとした.なお,このTiシリサイドピラミッドは先行研究においてSTM観察において標準的なW探針の先端をイメージしたとの報告がある. 実験はPt-IrとTiO2の2種類を使用した.Pt-Irは多結晶試料であり,方位制御は行っていない.一方TiO2試料は単結晶試料からlift out法で切り出したものであり,試料軸方向が[110]方位となっている.これらの試料のSTM観察の結果,異なるTiシリサイドピラミッドによってÅオーダーで同一の形状を観察することができた.STM観察では,探針と試料のどちらがイメージされるかは両者の形状によって決まるものであるが,予想どおり,電界蒸発現象によって形成された3DAP試料表面は原子オーダーでスムースであり,Tiシリサイドピラミッドでイメージが可能でることが確かめられた.また,今回初めてSTM観察による形状と3DAP測定中のイオン検出濃度との間の相関を見出すことができた.さらにTiO2試料では,直径が20nm程度のテラスとその周囲の数段のステップ&テラス構造をSTM観察することができた.
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)