2016 Fiscal Year Annual Research Report
Visualization of nano structural information by X-ray spectro-ptychography
Publicly Offered Research
Project Area | Exploration of nanostructure-property relationships for materials innovation |
Project/Area Number |
16H00889
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 幸生 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (00415217)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | X線 / 量子ビーム / ナノ材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
スペクトロX線タイコグラフィでは試料によるX線吸収量を高い精度で再構成する必要があり、吸収量の小さい硬X線領域の実験では、吸収像の再構成が難しい。そこで、クラマース・クローニッヒの関係式をタイコグラフィにおける位相回復計算の拘束条件として用いることで、複素透過関数の再構成の収束性を向上させることを提案した。計算機シミュレーションの結果、クラマース・クロニッヒの関係式を用いることで、位相回復計算の収束性が向上し、X線吸収スペクトルの精度が向上することを確認した。マンガン酸化物薄膜をテスト試料として用いた実証実験を大型放射光施設SPring-8のBL29XUL/EH3にて行った。MnのK吸収端を含む6.527keVから6.585keVまでの入射X線エネルギーで、コヒーレント回折強度パターンを取得した。そして、コヒーレント回折強度パターンに位相回復計算を実行し、40ナノメートルの分解能でのX線吸収スペクトルを再構成した。別に行った同一試料の透過配置でのX線吸収スペクトルデータと比較した結果、クラマース・クロニッヒの関係式を用いることでX線吸収スペクトルの精度が向上することが判明した。また、微小構造体を参照波とするインラインホログラフィを組合せたX線タイコグラフィを用いることで、X線タイコグラフィの感度が向上することを実験的に確認し、スペクトロX線タイコグラフィに対しても有用であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、インラインホログラフィを組合せたX線タイコグラフィがスペクトロX線タイコグラフィに有用であることを確認した。これに加えて、クラマース・クロニッヒの関係式を用いた位相回復計算を提案し、X線吸収スペクトルの再構成精度を向上させることに成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
スペクトロX線タイコグラフィによる触媒粒子等の実試料観察を行い、スペクトロX線タイコグラフィを価数識別ナノイメージング法として確立させる。
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