2016 Fiscal Year Annual Research Report
Graphene-based active/passive optical modulators and their applications
Publicly Offered Research
Project Area | Science of Atomic Layer Systems |
Project/Area Number |
16H00902
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 真司 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40239968)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | グラフェン / 可飽和吸収 / モード同期 / 光変調器 / ファイバレーザ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、グラフェンのもつ超広波長帯域かつ光/電気でコントロール可能な光吸収特性を活用した受動/能動光変調器を実現し、その応用を図ることを目標とし、①グラフェンフォトニックデバイス作製 ② 高速可飽和吸収を利用した超広波長帯域受動光変調器(受動モード同期素子)とその応用 ③ 高速電気吸収変化を利用した超広波長帯域能動光変調器とその応用 の研究を進めた。 ①②については単層グラフェンをテーパー光ファイバとエバネッセント結合するデバイスを試作し、それを受動モード同期素子としてTmドープ光ファイバリングレーザに入れることで、セルスタートでモード同期による短パルスが得られた。その光スペクトルはいくつかのサイドピークをもち、ソリトンモード同期であることが裏付けられた。繰り返し周波数は18.1MHzで、自己相関波形測定によりパルス幅は0.98psであることがわかった。光スペクトル幅4.6nmから計算すると、このパルスはほぼチャープフリーのソリトンパルスであることがわかった。 ③については、シリコン導波路型グラフェン変調器の導波路サイズを最適化することでグラフェンによる光吸収量を最大化できることを見出した。2次元の有限差分(FDM)法により導波路中での光の電界分布とグラフェンの重なりを計算することで光吸収量を評価した。その結果、TEモードでは吸収量は深さdに反比例するのに対し、TMモードはd=240nm付近で極大をもつことがわかった。これはTMモードでは電界がグラフェンの部分に集中するためである。これを実証するため、シリコン導波路の作製経験が豊富なコロンビア大学リプソン教授グループとの共同研究により最適な構造のシリコン導波路型グラフェン変調器の試作を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初のグラフェンフォトニックデバイス作製、受動モード同期素子とその応用、グラフェン変調器についての計画は順調に進展しているのに加え、計画にはなかったコロンビア大学リプソン教授グループとの共同研究により最適な構造のシリコン導波路型グラフェン変調器の試作を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初のグラフェンフォトニックデバイス作製、受動モード同期素子とその応用、グラフェン変調器についての計画を進めていくとともに、新たに開始したコロンビア大学リプソン教授グループとの共同研究をさらに推進し、可能ならば他のシリコン導波路グループとの共同研究も進める。
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