2016 Fiscal Year Annual Research Report
SOIピクセル検出器による自己像直接検出型タルボ・ロー干渉計の高度化
Publicly Offered Research
Project Area | Interdisciplinary research on quantum imaging opened with 3D semiconductor detector |
Project/Area Number |
16H00948
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
志村 考功 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (90252600)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | X線 / 放射線検出器 / 位相イメージング / 微細加工プロジェクト / 干渉計 |
Outline of Annual Research Achievements |
1895年にX線がレントゲンによって発見されて以来、X線透視撮影は医療やセキュリティー、非破壊検査など様々な分野で活用されてきたが、軽元素材料などはX線に対して比較的透明であり、十分なコントラストが得られないという問題がある。X線位相、小角散乱イメージングはこの欠点を克服し得る技術として各方面からその発展が期待されており、実験室系の装置で測定可能なX線タルボ及びタルボ・ロー干渉計が注目を集めている。そこで本研究課題では、SOIピクセル検出器を適用することにより、2次元自己像直接検出型X線撮像装置の性能を飛躍的に向上させることを目指す。SOIピクセル検出器の特徴を生かした新規な2波長2次元自己像直接検出型X線撮像装置の実証を目的とする。 本年度は、SOI検出器を利用するための素子、制御基板、冷却システムなどの実験環境の整備を中心に進めた。これらの整備では、本新学術領域のメンバーである京都大学理学部 鶴教授、大阪大学理学部 林田准教授、理化学研究所 初井博士らに支援して頂いた。また、測定で得られるデータの解析プログラムについても、メンバーの方々に支援して頂きながら整備を進めた。さらに、これらの実験環境を利用して、2波長の位相、散乱イメージングとその空間分解能の向上に取り組んだ。その結果、マイクロフォーカスX線源と振幅格子を組み合わせることにより、1度の露出で2波長の位相微分像、小角散乱像を取得できることを示した。また、ピクセル検出器の特徴である画素毎のチャージ解析を活用することにより、これらの像の空間分解能を向上させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大きな問題もなく、おおむね計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
大きな問題もなく、おおむね計画通りに進展しており、着実に研究を進めたい。
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