2016 Fiscal Year Annual Research Report
AFM/STMによる力刺激に対する分子系の応答の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Architectonics: Orchestration of Single Molecules for Novel Function |
Project/Area Number |
16H00959
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉本 宜昭 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (00432518)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 走査型プローブ顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、原子間力顕微鏡(AFM)を用いた有機分子の研究が、目覚しく発展している。AFMは、鋭い探針を試料表面でスキャンさせ、探針にかかる微弱な力を測定することによって、表面の個々の原子・分子を観察する顕微鏡である。本研究では、探針により有機分子に力刺激を与えたときの応答を調べ、その物性と機能性を調べることを目的とする。これまで、電子、電場、磁場、光に対する分子の応答が主に調べられてきたが、AFMによって測ることができる「力」という基本的な物理量に対する応答を詳しく調べる。今回、金属基板表面に有機分子を吸着させ、超高真空のAFMにより高分解能観察を行った。それにより、分子の構造のみならず、基板に対する配向、吸着サイトを同定することができた。さらに、吸着させた単一の有機分子を探針で押しつけたときの相互作用の変化を調べた。原子レベルの位置精度で調べた結果、分子の局所的な変形に起因すると思われる信号を得ることに成功した。また、有機分子を探針で拾い上げることもでき、それによって有機分子の基板への吸着エネルギーに関する情報を得ることができた。このような垂直分子操作は、探針の変形のしやすさとも関連すると考えられる。今後、このような力学的な刺激に対する分子の応答が解明できれば、力学的スイッチや応力センサーなど、新しい動作原理に基づく分子デバイスを創出できる可能性があり、当該領域の推進に貢献できると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
金属基板表面に有機分子を真空蒸着させて、超高真空中でAFM観察を行ったところ、有機分子の形状、吸着サイト、吸着状態を同定できるほど高分解能な画像の取得に成功した。さらに、AFM探針を有機分子に近づけながら相互作用を計測した。探針との斥力が検出でき、分子の局所的な変形に成功したと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、基板表面に有機分子を単分子吸着させ分子の配向を同定した上で、探針を接近させることによって生じる効果を詳細に調べていく。特に、分子内で探針を近づける場所を精密に制御して有機分子を変形させる実験を行い、吸着サイトや吸着様式による影響を詳しく調べる。
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Research Products
(34 results)
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[Presentation] Observation of Azulene-to-fulvalene Rearrangement by AFM2016
Author(s)
A. Shiotari, K. Iwata, T. Nakae, Y. Shinagawa, S. Mori, T. Okujima, H. Uno, H. Sakaguchi and Y. Sugimoto
Organizer
24th International Colloquium on Scanning Probe Microscopy (ICSPM24)
Place of Presentation
Hawaii Convention Center, Honolulu, USA
Year and Date
2016-12-14 – 2016-12-14
Int'l Joint Research
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