2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of monolayer topological insulators and exploration of concert effects in superconductive interfaces
Publicly Offered Research
Project Area | Frontiers of materials science spun from topology |
Project/Area Number |
16H00983
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 了太 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40633962)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | トポロジカル絶縁体 / トポロジカル結晶絶縁体 / 弱反局在効果 / 狭ギャップ半導体 / バンドエンジニアリング / 超伝導 / MBE / シュブニコフドハース振動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではトポロジカル結晶絶縁体SnTeの単層単結晶薄膜の作製を狙い、更にそれと超伝導体との接合を作製し、界面で生じる新奇物理現象を観測することを目標としている。従来、SnTe単結晶薄膜は絶縁体上へのラフネスの少ない単結晶薄膜作製が極めて難しく、10nm程度以下の薄さにすることが困難であった。またSn欠陥誘起のホールが著しく生じ、自然とヘビーなp型になるため、フェルミ準位がバルクバンドと重なり、電気伝導や角度分解光電子分光(ARPES)による表面状態観測が困難であった。単層SnTeについては理論計算から2次元トポロジカル結晶絶縁体になることが予想されているが、それらの結晶成長上の理由から実現が難しいとされていた。我々はまず、SnTe下地層のダングリングボンドをなくすため、用いる基板・下地層をSi(111)上の√3×√3-Bi構造にした。その結果、面方位が(001)のSnTe単結晶が成長した。そして従来多く用いられている基板であるBaF2に比べて表面ラフネスは1/10程度に減少した。また、リチウムのドーピングによってホールキャリアの補償にも成功し、SnTeでは報告されていない、抵抗の半導体的な温度依存性を実現した。そして、低温ではシュブニコフドハース振動も観測できたため、弱反局在効果と併せて今後より一層物性を解明することができると期待される。また、SnとPbの組成比を動かすことでPbSnTeにおいて電気的特性を変化させることにも成功した。またこの試料にSbをドープすると、有意にバルクキャリアが低減し、やがてn型になった。ARPESによってそれらの試料を観測したところ、入射フォトンエネルギーに依存しない2次元バンドの観測に成功した。これはトポロジカル表面バンドと考えられ、p型のために従来困難だった表面バンドの観測に成功したといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本来は√3×√3-Bi上にSnTe単層の成長を目指したが、単層が簡単にはできないため、表面ラフネスの改善の観点から研究に取り組んだ。ただそれでも、従来よりも大幅に薄い膜の作製に成功した。そしてそれらの試料において表面状態を電気伝導測定で弱反局在効果の観測を通じて確認した。また成長条件最適化に加え、電気特性の詳細な調査、ARPES観測など多岐にわたってSnTe中心物質の物性解明を着実に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
SnTeの良質な単結晶薄膜作製には成功したので、今後はその上に様々な物質を積層して、トポロジカル(結晶)絶縁体/超伝導体などの作製に取り掛かる。トポロジカル(結晶)絶縁体と超伝導体の接合面付近にはマヨラナ粒子が出現することも理論的に予想されている。また、超伝導ギャップ中に有限の状態密度をもつような非従来型の超伝導、トポロジカル超伝導状態も実現できれば、まだ未解明な点の多い同物質群についてトポロジカル結晶絶縁体を用いることによって新たな観点を得られると期待される。トポロジカル超伝導体としては接合作製のほかに、他族元素のドーピングも視野に入れている。
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Research Products
(28 results)
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[Journal Article] Origin of the large positive magnetoresistance of Ge1-xMnx granular thin films2017
Author(s)
Y. K. Wakabayashi, R. Akiyama, Y. Takeda, M. Horio, G. Shibata, S. Sakamoto, Y. Ban, Y. Saitoh, H. Yamagami, A. Fujimori, M. Tanaka, and S. Ohya
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Journal Title
Physical Review B
Volume: 95
Pages: 014417-1-6
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] トポロジカル結晶絶縁体(Pb,Sn)Te薄膜のキャリア密度制御および表面状態観察2016
Author(s)
大滝祐輔, 山口智也, 石川諒, 黒田眞司, 中西亮介, D. Fan, 秋山了太, 長谷川修司, 宮本幸治, 佐藤仁, 木村昭夫
Organizer
第二回「トポロジーが紡ぐ物質科学のフロンティア」領域研究会
Place of Presentation
東北大学(宮城県仙台市)
Year and Date
2016-12-16 – 2016-12-18
Invited
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[Presentation] トポロジカル結晶絶縁体(Pb,Sn)Te薄膜の角度分解光電子分光による表面状態観察2016
Author(s)
山口智也, 大滝祐輔, 石川諒, 黒田眞司, D. Fan, 秋山了太, 長谷川修司, 宮本幸治, 佐藤仁, 木村昭夫
Organizer
2016年秋季日本物理学会年次大会
Place of Presentation
金沢大学(石川県金沢市)
Year and Date
2016-09-13 – 2016-09-13
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[Presentation] Origin of the large positive magnetoresistance in Ge1-xMnx granular films2016
Author(s)
Yuki K. Wakabayashi, Ryota Akiyama, Yukiharu Takeda, Masafumi Horio, Goro Shibata, Shoya Sakamoto, Yoshisuke Ban, Yuji Saitoh, Hiroshi Yamagami, Atsushi Fujimori, Masaaki Tanaka, Shinobu Ohya
Organizer
PASPS-9
Place of Presentation
神戸国際会議場(兵庫県神戸市)
Year and Date
2016-08-07 – 2016-08-11
Int'l Joint Research
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