2017 Fiscal Year Annual Research Report
ナノポーラス金属触媒を反応場とする結合活性化反応の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Precise Formation of a Catalyst Having a Specified Field for Use in Extremely Difficult Substrate Conversion Reactions |
Project/Area Number |
16H01000
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金 鉄男 東北大学, 理学研究科, 准教授 (80431493)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ナノポーラス金触媒 / メチレンシクロプロパン / ジスタル結合切断 / ジホウ素化反応 / トリメチレンメタン中間体 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回我々は、ナノポーラス金(AuNPore)触媒がメチレンシクロプロパン(MCP)のジホウ素化反応において優れた選択性を示すことを見出した。これまで報告されているPt(0)分子触媒を用いた、MCPのプロキシマル位のC-C単結合の切断を経るジホウ素化反応と異なり、AuNPore触媒を用いると、MCPのジスタル位のC-C単結合が選択的に切断され、ジホウ素化反応が進行することを初めて見出した。メチレン末端に様々な置換基を有するMCPとB2(pin)2ジホウ素剤がAuNPore触媒存在下、ジホウ素化反応が選択的に進行し、対応する1,3-ジホウ素化生成物を良好な収率かつ高選択的に得られた。 AuNPore触媒によるMCPのジスタル結合の選択的切断の経路と中間体を考察するため、Au(111)面をモデルとして置換基を持たないMCPの結合切断エネルギーおよび炭素上の電荷変化のDFT理論計算を行った。その結果、プロキシマル結合活性化遷移状態TS2に比べて、ジスタル結合活性化遷移状態TS1の活性化エネルギーが大きく低下していることがわかった。さらに、Au(111)面上のジスタル結合が切断されたtrimethylenemethane(TMM)中間体Int_Aは、プロキシマル結合が切断された中間体Int_Bよりかなり安定であることがわかった。特に、TMM中間体Int_Aのtrimethyleneの三つの炭素は中性MCP分子に比べ高い電子密度を有しており、電子不足のホウ素原子との相互作用により選択的ジホウ素化反応が進行したと考えられる。さらに、シクロプロパン上にフェニル基を有するMCPがAuNPore触媒を用いた同様な条件で、シクロプロパン上に置換基がないMCPと同様な生成物を与えた。この結果はDFT計算で得られた特異な電子構造的有するTMM中間体の形成を示唆している。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)