2016 Fiscal Year Annual Research Report
Precise Design of Catalytic Surface with Multi-active Sites through the Site-Isolation Concept
Publicly Offered Research
Project Area | Precise Formation of a Catalyst Having a Specified Field for Use in Extremely Difficult Substrate Conversion Reactions |
Project/Area Number |
16H01010
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
本倉 健 東京工業大学, 物質理工学院, 講師 (90444067)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 協奏的触媒作用 / 固定化触媒 / Pd錯体 / アリル化反応 / 表面反応場 |
Outline of Annual Research Achievements |
固体表面に複数の活性点を固定し、それらの協奏的触媒作用を発現させることで、有機反応を大幅に促進することが可能である。平成28年度の研究では、シリカ表面にPd錯体と有機強塩基であるDABCOを固定化した触媒を開発し、アリル化反応へと応用した。開発した触媒を用いると、様々な求核剤のアリル化反応が効率よく進行し、対応する生成物を高収率で得ることができた。特に、Pd基準の触媒回転数(TON)は、ほとんどのケースで10,000回に達した。acetyl acetoneを用いる反応では、TONは最高で100,000回を超えた。この値は、求核剤のプロトン引き抜きを経由する系では最高の値である。 さらに、固定化する担体を、ノンポーラスシリカから、メソポーラスシリカへと代えることによって、触媒活性が向上することも見出した。触媒活性はメソポーラスシリカの細孔径に依存し、2nm程度の細孔を有するメソポーラスシリカを担体としたとき、触媒活性が最も向上した。この触媒は、高分子材料合成の前駆体となるビスフェノールAのダブルアリル化体の合成に良好な活性を示し、収率98%、TON:1960回で目的生成物を合成することが可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Pd錯体と有機分子を固定化した触媒の開発に成功し、尚且つ、これまでの系と比較しても極めて高い触媒性能の発現に成功した。さらに、固定化担体の構造が触媒活性に与える影響を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
担体構造と触媒性能の相関について、さらに詳細を調べることで、新たな高活性触媒開発の指針とする。加えて、シリカ表面に存在するシラノール基の反応への関与を明らかにすることで、シラノール基の特長を活かした触媒系を設計する。また、Pd錯体以外の触媒活性種における表面協奏効果の発現を狙い研究を進めることで、様々な有用化合物合成を実現するだけでなく、新反応の開発に向けて展開する。
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Research Products
(24 results)