2016 Fiscal Year Annual Research Report
Reaction on the pi-Surface of Fluoro-functionalized Subphthalocyanines
Publicly Offered Research
Project Area | Precise Formation of a Catalyst Having a Specified Field for Use in Extremely Difficult Substrate Conversion Reactions |
Project/Area Number |
16H01017
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
柴田 哲男 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40293302)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | サブフタロシアニン / フッ素 / トリフルオロメチル / 可視光 / 赤色光 / トルエン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,フッ素化サブフタロシアニンが備える分子濃縮作用と光触媒機能を利用した反応超高速化を行うことを目的とする。計画は大きく2つのパートに分割出来る。即ち,1.サブフタロシアニンを連結させた新しい分子を構築し,π空間への分子取り組みを調べる。2.サブフタロシアニン類が触媒する光反応を見つけ出す,の2点である。平成28年度は,サブフタロシアニンの形成するπ空間内への分子取り組みを調べた。まず,サブフタロシアニンを二つ連結させたサブフタロシアニンダイマーを合成し,取り込みを行った結果,上下二つのサブフタロシアニン空間に,それぞれ一分子ずつのトルエンが包接されることがわかった。ここでトリフルオロエトキシ基による効果を確認するために,一方のサブフタロシアニンのみをトリフルオロエトキシ化したサブフタロシアニンダイマーを合成した。同様のX線結晶構造解析を行った結果,興味深いことにトリフルオロエトキシ化したサブフタロシアニン空間にのみトルエン分子が包接することがわかった。このことは,トリフルオロエトキシ基が芳香族化合物の取り組みに不可欠であることを示唆している。 次にサブフタロシアニンを用いる赤色光でのトリフルオロメチル化反応の開発を試みた。即ち,トリフルオロエトキシ化サブフタロシアニンを光触媒として,赤色光を用いたオレフィン類に対するトリフルオロメチル化反応の開発を行った。アスコルビン酸ナトリウム,酢酸ナトリウム,CF3I を加え,赤色光を照射して反応を行ったところ,種々の末端オレフィンや内部オレフィンに対して中程度~高収率でCF3化体を得ることに成功した。また,オレフィン部位以外にも活性なβケトエステル部位を含む基質に対してもオレフィン部位選択的にCF3化体を得ることができた。末端アルキンに対しても中程度~良好な収率でCF3化体を得ることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サブフタロシアニンを連結したダイマーにおいての分子取り込みに成功したこと,赤色光でのサブフタロシアニン触媒的トルフルオロメチル化反応を見出したことから。
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Strategy for Future Research Activity |
1.分子取り組みのしくみを計算化学を用いて理解する。 2.巨大サブフタロシアニンの合成には至らなかったため,引き続き検討していく。 3.触媒反応をさらに拡大する。
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